日差しが強くなって海面がキラキラと光るような陽気になってくると海水温が
上昇して、細長い銀色の魚が岸辺からも見えるようになってきます。
魚釣りをする時、ほとんどの場合は早朝か夕方に行くことが多いですよね。
魚の活性が上がって餌を活発に食べる時間帯が朝と夕方、肉食魚の場合は獲物
が寝ている夜の時間に行動するので夜釣りで狙うことが多いです。
それに対してサヨリは昼間の時間帯で海面に見えている時でも餌を食べるので
他の魚を釣れない時でも釣りができる魚種として知られています。
春の魚の中でも、もっともきれいな魚体をしていて、下顎の先端には赤い紅を
ひいたような紅点もあって華やかな感じのする魚ですが、サヨリの鮮度の良さ
を見分けるのには、その紅色が鮮やかなものほど鮮度が良いとされています。
静岡県の浜名湖や福井県の三方五湖のような汽水域でも群れで泳いでいるので
動きが活発かする春の時期と秋の時期には釣り人の人も高くなります。
一般に見える魚は釣れないと言われますが、逆にサヨリは群れを見つけて魚群
の様子を見ながら釣るので、この糸の先に本当に魚がいるのだろうか?という
疑念は感じませんが、あんなにたくさんいるのにどうして釣れないんだろう?
という気持ちになるので、見えているというのも複雑ですね。
鉛筆のような細い魚体でも引く力は意外に強いので素早く取り込まないと群れ
が散ってしまって後が続かないので簡単そうに見えて難しい獲物です。
サヨリは銀色の美しい魚体に似合わず、お腹の中に膜があり真っ黒です。
その特徴を知っている人は外見はスラリとして美しいけれど、実は性格的には
腹黒い一面を持っている女性のことをサヨリのような人という言い方をします
ので、本当にあなたはサヨリのような人だわと言われた時は、決して誉め言葉
ではありませんので、自分自身の行動を見直した方が良いです。
サヨリ自体は腹腔内の膜が黒いために腹黒いだけで、逆に真っ黒な状態の時は
鮮度が良い証拠(鮮度が落ちると褐色に変色する)になるわけですので、味に
影響があるわけではありません。
鮮度の良いものは刺身や昆布しめ、酢の物など、きれいな姿を活かして調理を
すると、いかにも春の風情が感じられる季節感のある魚だと思っています。