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春に旬を迎える魚の話-7 [限定・季節の食材]

地域ごとに旬の違う魚種もあるので、幅広く話を広げていくと際限なくなって
しまいそうな気がするので、とりあえずは今回でこの話題は終わりにします。

旬の魚というタイトルなので水産物の一環として書きますが海藻類は春の時期
に新芽が出て美味しくなる種類が多く、わかめやひじきは3月から5月ぐらいが
柔らかくて美味しい時期になります。(海苔は冬から春までが旬です)

shiohigari2020.jpg

春になると潮干狩りで賑わう海岸もありますが、アサリは春から初夏までの間
産卵を控えて栄養を蓄えるために身がふっくらと柔らかく旨味も増してくると
いうことで旬のアサリを収獲する潮干狩りは果物の味覚狩りと同じく、季節の
味覚を上手に取り入れたレジャーと言えますね。


潮干狩りの時にアサリのついでにマテ貝を獲る人もいますが、マテ貝もアサリ
と同じく3月から5月ぐらいが旬の時期に当たりますから、塩を振って巣穴から
飛び出してきたのを捕まえて遊ぶだけでなく、バター炒めなどにすると酒肴を
一品増やすことが出来ます。

ということで、春に旬を迎える魚の話の続きですと言いながらイイダコの話を
書いていきますね。日本で食用にされるタコの中では最も小さなものです。

タコは日本や韓国、スペインでは食用にされていますが、欧米の殆どの国では
デビルフィッシュと呼ばれて嫌われているのは御存じの通りです。

骨格がなく姿形が変化する上、色が変わったり、どんな所でも通り抜けられる
という得体の知れない部分が嫌われているみたいで視点の違いですよね。
食べれば美味しいものなんですが、生活習慣や宗教上のタブーなどで口にする
ことが出来ないものがあるというのは仕方ないですね。

ところで、たこ焼きの屋台を見ると、タコがねじり鉢巻をしている姿が普通に
描かれたりしていますが、あの部分は実際は胴体だということを知らない人も
存在するみたいで、イメージを変えるのはなかなか難しいみたいです。

タコの本当の頭は口の部分の目と目の間の部分で、割と生命力の強いタコでも
この部分を刺されると簡単に死んでしまいます。逆に足はウツボなどの天敵に
襲われて食いちぎられたとしても、しばらくすると再生しますから生きる力が
強いという部分は事実だと思います。

イイダコはタコの中でも最小レベルの小さいものなので、食べ応えという点は
ちょっと難しいので、旬の時期には丸ごと煮付けにして抱卵している卵と一緒
に食べると独特の風味があります。

iidako_nitsuke.jpg

イイダコという名前は、この抱卵している時期の姿を表わしている表現で胴体
にしっかりと詰まった卵が、ご飯粒(飯=イイ)のように見えることから飯蛸
という名前で呼ばれているのですね。

最後に関東ではあまり利用されないマナガツオの話です。
白身でくせのない柔らかな身肉なので、関西では極上の刺身素材としても利用
されていますが、鮮度の低下が早いので産地から遠い関東では無理をして刺身
にするようなことはありませんので無名な存在です。

ただ、関西地方でもメインの料理方法は西京漬けや煮魚として利用されること
が多いので一般家庭で刺身で食べることはあまりないと思います。

関東でカツオが美味いとされていた江戸時代には、もちろん冷凍や冷蔵の技術
はありませんでしたから、上方や京都ではカツオの刺身は食べられず仕方なく
関西でのみ刺身で食べられるマナガツオに「真魚鰹」という字を当てて見栄を
張ったという話と我慢したという話の二通りがありますが、どちらが真実だと
証明する術がありませんから両論併記ということにします。

現代のように冷凍技術が発達して大概のものは日本全国でほぼ同じ条件の食材
が食べられる時代になっても、関西では珍重されているのですから、基本的に
美味しい魚だと認められているのでしょうね。

そのように考えると、江戸時代に刺身で食べられていたマナガツオの美味しさ
はカツオの代用品としてのものでもないような気がします。

manakatsuo.jpg

愛知県でもマナガツオの鮮魚が販売されていることは滅多にないというか子供
の頃に一度だけ煮つけにしたマナガツオを食べた記憶があるだけなので残念な
ことですが旬が春だとは知っていても食べたことがないので、これ以上詳細に
書くことが出来ませんので、マナガツオについてはここまでにします。

以上で、春に旬を迎える魚の話はおしまいです。


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