以前に、仙台から松島、塩釜に一泊二日の旅行をした時の話です。
10月の初めの時期で牡蠣の解禁直後ということもあり、東北の初秋の味覚探訪
なんて聞いた感じは風情がありますが、単純になにか美味しいものを味わいに
行こうと思って出かけたわけなんですが、解禁直後の牡蠣は、まだまだ地元の
飲食店には出回っていなくてウロウロと食べ物屋さんを探して走りました。
そんなわけで、宮城県の美味しいものを探して延々と仙台から松島経由で塩釜
までレンタカーで走って、いい加減疲れてしまったので結局は道沿いにあった
和食の店に入って和定食(三陸の海の幸主体のもの)を頼んだわけです。
そこで、定食についていた茶碗蒸しが、とても甘かったのに驚きました。
最初に一口食べた時は、単に砂糖と塩を間違えたんだろうか?と思いましたが
どう考えても、甘味が「確信的な甘味」で、表現としては茶碗蒸しというより
和風プリンというか甘い玉子豆腐を食べているような感じなんですよね。
だからといって食後なデザートではなく、メインの料理が来る前に来ましたし
中に入っている具材は魚介類を中心とした普通の茶碗蒸しだったので、今まで
に一度も食べたことのない不思議な味の茶碗蒸しだったのですね。
宮城県の流儀では、茶碗蒸しは甘い味付けにするものなのだろうかと考えては
みたものの、夜に宿泊先で出た食事に付いていた茶碗蒸しは、どこで食べても
大差のないオーソドックスなものだったので、同じ宮城県でありながら松島と
塩釜の違いというか、甘い茶碗蒸し自体、どうして甘くなってるの?という謎
は現在も残されたままになっています。
他にも茶碗蒸しは「甘いもの」という地方はあるのでしょうか?
私が高校生の頃に「茶碗蒸しの歌」というのがありましたが、あの歌の中でも
甘い茶碗蒸しは美味しいよという部分はないので、やはり特別なのかな。
私の好みとして二度目は無いということにしていますが、人それぞれに好みが
るのは当然で、もちろん他人の好みにケチをつける気はないので、全力で甘い
茶碗蒸しを否定するということではありませんので。誤解しないで下さいね。
そう言えば、昨年末に近場の飲食店に食事に行った時に出た茶碗蒸しは、全く
味のない茶碗蒸しで、だしの味もなければ甘くもない不可思議なものでした。
割と普通に食べている茶碗蒸しですが、実はとても難しい技術と繊細な味付け
が必要な隠れた特別な料理なのかも知れません。