紅茶に適した品種、中国茶に適した品種という違いはありますが、基本的には
栽培地の気温や湿度、日照時間などによってお茶の味に差が出ています。
茶はツバキ科の常緑低木で、東名高速道路や新幹線に乗っていると静岡と掛川
の間の牧之原周辺で左右に茶畑が広がる風景を見ることが出来ます。
白い花が10月から12月に咲いて、春に芽吹く若葉の頃からが茶摘みの時期
となり、夏も近付くという唄にあるように五月初旬の八十八夜の頃から一番茶
の摘み取りが始まって夏の四番茶までの年四回の収穫が通常のサイクルです。
茶葉の独特の香りは、テアニンという物質の芳香によるものですがテアニンは
収獲の時期が遅れるほど、タンニンという物質と置き換わる傾向があり一番茶
は香りが強く渋みが少ないのに対して、夏に摘まれる四番茶の頃になると渋み
や苦味の強く、昔のイメージで頑固親父と呼ばれていたような人が好む渋くて
口が曲がりそうな渋茶に仕上げることが出来ます。
茶木の品種は大きく分類すると葉が小さく寒さに強い中国系と葉が大きく紅茶
に向いているアッサム系がありますが、日本国内での栽培は12世紀頃(日本
で12世紀と言うと源氏と平家の戦いの結果、平家は滅ぼされ鎌倉幕府が成立
した時代です)に中国から持ち込まれた種子によって始められたのが起源だと
言われています。(諸処の文献によるものです)
日本にお茶の栽培を伝えた中国には龍井茶(ロンジン茶)という有名な緑茶が
ありますが、その種子を受け入れた日本側では、独自に改良が進められて玉露
や抹茶などが作り出され、特に抹茶の場合にはお茶を汲む一連の流れの中に禅
の考え方が導入されて茶道という一つの文化として定着しました。
休憩時の一服として喉を潤すお茶にもいろいろな歴史があるのですが、その話
を延々と続けていたらお茶屋のブログになってしまうので、深入りはしないで
この辺で止めておきます。
緑茶・紅茶・中国茶の葉っぱ
- 限定・季節の食材