誤解しないでいただきたいのですが、私は捕鯨を推進する自民党の二階俊博は
大嫌いな政治家の一人ですし、そもそも鯨は日本の食卓に欠かせないといった
妄言に対してバカじゃないか?と思っている一人ですので、その点はしっかり
主張させていただいた上で話を続けます。
オーストラリア政府の言い分では、クジラは減り続けていると言いますが日本
の調査捕鯨の結果では、個体数は確実に増えているとされていますので、同じ
基準に当てはめれば捕鯨についても条件は緩和されるか、逆にカンガルーでも
同じ動物なんですから殺されるいわれはありません。
もう一つの論点であるクジラは賢いから殺すな、という主張について考えれば
カンガルーはバカだから殺しても良いという訳ですから、それは随分と差別的
な考え方で、なんとなくおおらかで良い人のイメージがあるオーストラリア人
ですが、実際にはガチガチの差別主義者だと言えそうで幻滅します。
日本で知的障害者の施設や老人施設の職員や元職員が、障害や高齢で人々の役
に立てない人間は死んだ方が世の中のためになると殺害する事件が起きますが
その発想と鯨は殺してはいけないけど、カンガルーは殺しても良いという発想
に根本的な違いはありません。
でもね、人間に殺してもいい動物を決める権限なんてないと思うんですよね。
逆に言えば、動物を殖やして殺して食べているという現実がある以上、鯨だけ
は別格だとか、カンガルーは知的レベルが低くて生息数も多いから殺す必要が
あるなんて、そんな選別をすることが尊大だという印象が強いです。
カンガルーが多すぎて食糧が不足して絶滅の危機にあるというのなら、全体と
して種の保存のために数を調整するという考えはあるかも知れませんが、その
必要性があるのなら粛々と汚れ仕事として進めれば良いわけで、人道的だとか
賢い生き物と(人間目線で)賢くない生き物を区別する考え方が、差別的かつ
打算的、感情的であることをオーストラリア政府は自覚するべきです。
個人的にはカンガルーが増え過ぎて絶滅したとしても、それは自然の中で淘汰
されたことであり、人類も核兵器の開発とか領土の奪い合いによる人殺しとか
我欲のために絶滅に向かっている存在であることに変わりはないと思います。
人類が地球を支配する時代が続くのは残り百年もないんじゃないでしょうか。