地球が誕生して46億年が経っていることは、今までの研究で鉱物の組成や
太陽系惑星との関係などから、ほぼ特定されていましたが地球のコア=核
が形成されマグマが地中に封じ込められて地面が出来て、アミノ酸が形成
され、細菌が生まれて植物と動物に別れて進化が始まった年代や爆発的に
生物が増えて生命に満ちた惑星になった理由や年代については、現時点で
体系的に証明されたわけではありません。
現在でも地球上でもっとも強い生物と言われているクマムシのように酸素
がなくても-50℃以下の低温でも生きていることの出来る生物が地球上に
初めて登場してから何億年の歳月を経て、酸素が必要な生物が闊歩できる
条件が整ったのか?それを知ることは逆に地球上の酸素が少なくなったと
した場合、人類はどのように生きて行くのかを考える指標としても重要な
ことだと思いますが酸素濃度が急上昇した時期が東京大学などの合同研究
チームによって特定されました。
地球が誕生してから非常に低かった酸素濃度は誕生から23億年後、今から
さかのぼっても同じ23億年前に理由は不明ですが急上昇したようです。
現在の地球上の酸素濃度は大気の21%を占めていますが、この酸素濃度が
今よりも薄くなったとしたら植物の生育には適した星になるものの人類を
始めとした動物は息苦しさを感じるようになり、逆に酸素濃度が今よりも
上がったとした場合、火災が起きやすい条件になるため野火や森林の自然
発火による大火災によって植物が減少し、二酸化炭素が急上昇するために
再び酸素濃度が下がるという循環が起きるものと思いますが、23億年前は
ただ酸素が急上昇したようで、その原因・理由にとても興味があります。
J・P・ホーガンという作家が書いた「星を継ぐもの」というSF小説が
ありますが、その作品の中では何十億年も前の地球には月がなく今よりも
はるかに早い自転速度だったために、毎日、暴風が吹き荒れる荒涼とした
惑星で、僅かに細々と進化していた生き物たちは粗食に耐えて、ようやく
生き延びていたことになっています。
ところが、宇宙に存在した知的生命体の宇宙戦争の影響で飛ばされた月が
地球との軌道に乗ったため、月の引力によって引っ張られた地球は自転の
速度が急降下したために暴風が止んで気候が安定し、酸素濃度が爆発的に
増加して一気に動物の種類も数も増えて地球は進化する生命体で溢れたと
いうことになっています。
SF作品を予言書だとか研究成果だとは思いませんが、この小説の中では
仮説とされている突然現れた月の存在こそが、23億年前に地球上に奇跡を
起こした酸素濃度の急上昇の理由のように思えてなりません。
もちろん天文学者や天体に興味を持つ人から見れば、とんでもなく現実を
無視した妄言かも知れませんが、地球の生い立ちに興味を持つ者としては
とても興味ある研究結果だと思っています。
恐竜の存在していた白亜紀やジュラ紀だけでなく、いろんな時代に興味を
持つことで人間の存在の小ささを実感するとともに進化の偉大さにも驚嘆
することが出来るので、近代史や古代史以上に古い地球に興味を持つ人は
多いのではないかと思います。