1996年に渥美清さんが亡くなって22年の歳月が過ぎて、来年新たに
「男はつらいよ」の新作が公開されることが発表されました。
新作が公開されるというのは、山田洋次監督のファンとしてはありがたい
ことなんですが、あの寅さんを演じられるのは渥美清さんだけでしょ?と
思ったら、寅さん役は当然、渥美清さんになるということで一安心という
感じです。(今のお笑い芸人なんて芸NO人には絶対に無理です)
寅さんの妹、さくらを演じた倍賞千恵子さん、その夫を演じた前田吟さん
さくらの息子役の吉岡秀隆さんなど、現在も役者として活躍している人と
マドンナ役の女性を新たに選んで撮影した映像と渥美清さんが演じている
寅さんの旧場面を融合させて物語を作るということで、ブルース・リーが
亡くなった後で完成させた「死亡遊戯」のような感じでしょうか。
「死亡遊戯」の場合はブルース・リーが生前に撮影した仏塔での決闘場面
を活用するために物語が作られたのに対して、寅さんの場合は物語の中に
過去の名場面を落とし込むということで、多くのピースの中からピッタリ
と合致するピースを探し出すという難しくも懐かしさに浸る作業によって
作り出されることになるのでしょう。
寅さんの50周年プロジェクトとして行われる、この50作目の新作上映
のほかに第1作の「男はつらいよ」から、コンピュータグラフィックスも
活用して作られた、第49作の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
特別篇」までの49本がフィルムから4Kデジタル媒体に修復転写されて
来年の夏から新作上映と同じタイミングで、デジタル寅さんの特集上映を
行うことも計画されています。
一応は完結編という形ではないと松竹側は言っているようですが、出演者
も監督も年齢を重ねていますから、もしかしたらシリーズ最後の寅さんに
なるかも知れないなという思いで観に行こうと思っています。
山田監督が「男はつらいよ」の撮影に入るということは、自動的に現在の
シリーズ作品である「家族はつらいよ」の続編は後回しなんですよね。
それはそれで残念なことではあるなと思っています。