元モーニング娘の吉澤ひとみが飲酒運転で自転車の女性をはねて逃亡した
事件が大きなニュースになっています。
当初は酒気帯び運転と報道されていましたが、呼気から基準値の4倍近い
アルコールが検出されたということで、酒気帯びレベルではなく飲酒運転
さらに適切な表現を使うと泥酔状態で運転していた疑いが強いですね。
道路交通法に照らし合わせると、酒気帯び運転の基準値が0.15mg/Lなので
基準値の4倍近いということは酒酔い運転に認定され、違反点数は35点に
なり、幸いにして被害者の女性は軽い怪我とのことなので傷害事故の点数
が3点加算され、さらに救護義務違反(ひき逃げ)の違反点数として35点
がさらに加算されて合計73点ですから、免許は取り消しになり、欠格期間
(免許の再取得までの待期期間)10年ということになります。
行政処分としては免許取り消しが確定的となり、裁判の審理とは無関係の
処分なので裁判で争うことはなく、免許取り消しが確定します。
また救護義務違反は刑事処分になりますので懲役10年以下、罰金の場合は
100万円以下となることから懲役なら2-3年、罰金なら50万円ぐらいに
なって、傷害とひき逃げを重ねてしまったがために行政処分も刑事処分も
かなりの厳罰になると思われますので頭がパニックになったのかどうかは
わかりませんが、反省しても戻ってこない事件を起こしてしまいました。
朝の7時に飲酒運転ということで、そんな時間に何で酒なんか飲むんだ?
みたいな論調の報道もありましたが、報道する立場の人たちがそのような
不見識だから飲酒運転の死亡事故が無くならないとも言えると思います。
アルコールの分解には当然時間が必要です。
特に日本人の場合はアルコールを分解する酵素を持っている人の割合の方
が少ないという飲酒に向かない国民です。(女性は特に弱いです)
吉澤ひとみがどんなアルコール飲料を飲んだかはわかりませんが、女性が
比較的よく飲むワインで考えた場合、アルコール度数を12%として計算
した場合、一杯のワインでアルコールは12gということになります。
3杯(ハーフボトル1本)だと35g、体重45kgとすると血中濃度は
0.1%になり呼気1Lに換算すると0.49mg/Lになります。
飲酒直後でも基準値の0.15mg/Lに達していませんから、午前0時で終わり
翌朝7時に事故を起こすまでに7時間が経過しても0.6mg/Lだとして計算
するとワインのフルボトル(720ml)を開けたとすると0.6mg/Lです。
飲んだ直後だとすると血中濃度は1.97mg/ml、呼気で0.99ml/Lとなるので
酩酊状態であり、いわゆる準強姦被害が発生するレベルであり女性がこの
状態になるとしたら信頼できる男性と一緒でないと危険な状況です。
これは平均のアルコール分解能力の場合なので、女性で分解能力が低いと
考えた場合には、ハーフボトル(360ml)でも、翌日の7時の時点で呼気
1Lに0.26mg/Lのアルコールが残り、0.25mg/L以上の酒気帯び運転になり
25点の違反点数で免許取り消し(欠格期間2年)のレベルです。
前日に飲んだアルコールの影響はそんなに簡単に解消されるものではなく
一晩寝て二日酔い状態だとすれば、確実にアルコールは残っています。
ということで、吉澤ひとみが飲酒後7時間が経過しても基準値の4倍弱の
アルコールが検出されたということは本人に二日酔いの自覚があり、前日
どのように家に帰ったのか記憶の一部が曖昧だった可能性が高いです。
そんな状況で車を運転するのがどれだけ危険なのかを世間に知らしめたと
いうのは、決して誉められた状況ではありませんが、吉澤ひとみが世間に
対して飲酒運転の危険性を啓蒙したという見方は出来るかも知れません。
私は基本的に飲酒はしないので、冷静に分析できますが普段から飲酒習慣
のある人は、吉澤ひとみのひき逃げについても「運が悪かった」でスルー
しそうな気がしますが、一歩間違えたら人が亡くなるのが交通事故です。
飲酒の翌日の飲酒運転の危険性を理解してもらいたいと思います。