ただ、盗撮や覚せい剤使用などの刑事犯に手を染めてしまった後、社会的
制裁を受けた後でさらにメディアが社会復帰を妨げたこともまた事実だと
思いますし、いわゆる前科者を受け入れる社会基盤の寛容さという視点で
見た場合、日本は開発途上国以下の脆弱さであり、人権に配慮をした上で
元の仕事に戻ることのできない、無間地獄の国だと感じています。
殺人や婦女暴行、強盗などの重犯罪であれば死刑、無期懲役が妥当なので
そういう人に対してどうだとは言いませんが、少なくとも懲役刑であれば
刑務所から刑期を終えて出てきた以上、牢獄に収監される懲役という刑罰
を満了しているのですから、その後は暖かく迎え入れることが再犯防止の
意味合いからも重要だと思いますが、それが出来なかった日本という社会
にも憲法に定められた基本的人権の尊重はなかったと言えるでしょう。
人は誰もが同じような耐久性を持っているわけではありませんから、心の
弱い人を社会が受け入れなければ、心の弱さを利用しようとする反社会的
な人間に利用されてしまうという事実を田代氏は身をもって伝えました。
そういう意味で田代まさし氏の反省は必要ではあるものの、きれいごとは
言いながらも本当の意味での社会復帰の手助けができていない社会規範を
変えていかないと日本人一人一人の人権は権力者の扇動によって脆く儚く
奪い取られてしまう危険性があると思っています。
人種差別に対する見方が広がったことにより、靴墨で顔を黒く塗っていた
活躍していた当時のメイクで活動することは困難でしょうが、グループの
音楽性と田代氏の振り付けによる歌い方は今でも通用すると思います。
自然に後悔と謝罪の言葉をつづった今なら、ラッツ&スターのリブートが
可能なのではないでしょうか、とそんなことを思いました。
田代まさし氏の反省に思うこと
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