「不器用ですから」という台詞がこの人ほど似合っている人は他にいない
と思うのですが、実際にはこの人ほど多彩な役柄を器用にこなした役者も
そんなにはいないと思うのが亡くなった高倉健さんでした。



任侠映画の主役として重要な強面でゴルゴ13のデューク東郷のイメージ
の基礎となっている(ゴルゴ13の実写版では作者の要望により主演)と
いう話がある反面で、「八甲田山」「南極物語」「鉄道員(ぽっぽや)」
「幸せの黄色いハンカチ」など軍人、南極越冬隊員、駅員、刑務所帰りの
男性など、いろいろな職業で難しい状況にある男を演じてきていますが、
どの映画の現場でも、年下からエキストラまで、どんな共演者に対しても
丁寧な挨拶をしていたということで、亡くなった後でも高倉健さんを悪く
言う共演者や映画関係者のコメントは見たことがありません。