今から8年前の2007年に時津風親方(元小結・双津竜)が、17歳の
新弟子が稽古になじめずに部屋から脱走したことに立腹して、ビール瓶で
頭を殴った後で、数人の力士に暴行を指示し、さらに竹刀や金属パットで
殴ったり蹴ったりの暴行を繰り返したことにより新弟子が亡くなるという
事件を起こして、相撲界が大騒ぎになりました。
もう既に時津風親方は死亡し、日本相撲協会も財団法人になってより高い
モラルとコンプライアンスが求められる立場となったことで、暴力事件は
排除されるはずでしたが、横綱・白鵬が所属する宮城野部屋に、部屋付き
親方として所属している熊ヶ谷親方が個人で雇っている運転手兼付き人を
金属バット、金づち、すりこ木などで殴り、二週間の怪我を負わせた容疑
で警察に逮捕されました。
下半身なら死ぬことはないと浅はかに考えたのでしようが、腰でも尻でも
強い力で殴られれば細胞が潰れて毒素を出したり、血管内の血栓が心臓や
肺、脳で詰まって死ぬこともありますから殺人未遂でしょう。
運転手が宮城野部屋に所属していたわけではないことから、日本相撲協会
も宮城野部屋も個人の問題で済まそうとしているようですが、元々親方の
底辺である部屋付きの立場で専属運転手を付けるなど、一般常識とは違う
価値観で行動していた熊ヶ谷親方に対する管理責任はあるはずです。
さらに熊ヶ谷親方の現役時代の師匠は現理事長の北の湖ということなので
日本相撲協会は関係ないというのは無責任すぎるでしょう。
根本的な問題として、最高番付が十両止まりの負け組の相撲取りが親方と
して後進を指導するなんて無理に決まっています。
十両から上がれなかったのは実力が足りないだけではなく努力が足りない
人としての知識・知恵が足りない、品格が足りない、人望が足りないなど
強くなれない理由があったからであり、そんなレベルの相撲取りが周囲の
支援者の金銭的援助によって親方になるなんて、おかしいでしょう。
親方として相撲協会に残るのは、せめて三役経験者までにすることで倫理
に反する軽率な行動を減らすことは出来るはずです。
熊ヶ谷親方の相撲界からの追放は当然として、現在の理事長などに対して
指導不足を理由に懲戒処分をする必要が文部科学省にあると思います。