で、主役のジョセフ・メリック(映画の中ではジョン・メリック)の役を
演じたジョン・ハートが初期のすい臓がんと診断され治療中であることが
本人の声明によって明らかになりました。
「エレファントマン」で、日本では知られるようになりましたが、その前
に出演している「ミッドナイトエクスプレス」でもゴールデングローブ賞
の助演男優賞を受賞しています。
「エイリアン」で最初にエイリアンに寄生され、胸部を食い破られて幼体
のエイリアンが現れる衝撃的なシーンを演じたのもジョン・ハートです。
私が高校三年の時に「エレファントマン」が上映され、演劇部だった私は
舞台で再現しようと脚本を書きましたが、上演時間を40分以内に収める
ことが難しかったので、断念したという記憶があります。
あえてモノクロで撮影した、デビット・リンチ監督の傑作と言われますが
上流階級の人間たちが、奇形のあるジョン・メリックと接することで世間
の心証を良くしようと利用しているという視点で見ると、単なる感動作品
とは違った見方のできる映画でした。
映画のラストシーンは、仰向けに寝ると首の脱臼で死ぬと忠告されている
にも関わらず、仰向けで寝て終わり、ジョン・メリックは自殺を選んだと
いうことが示唆されていましたが、実際には事故死だったようです。
後、ジョン・ハートの名前を聞くと、東ドイツから西ドイツへ気球で亡命
した映画を思い出します。
この映画は現在では「気球の8人」というタイトルですが、上映当時には
「愉快な風船旅行」というタイトルで、見つかった途端に射殺されるのに
愉快とは?と疑問でしたが、内容も見ないで気球に乗るという内容だけで
付けたらしいことを後で知りました。
映画会社の日本語タイトルの付け方のいい加減さがよくわかりましたが、
さすがに今はそんなタイトルは付けていないような気がします。
そんなことはともかく、がんが完治することを祈ります。
がん治療で殺されない七つの秘訣 (文春新書) 近藤 誠 by G-Tools |