マクラーレン・ホンダは、F1グランプリの2015年シリーズ開幕戦の
オーストラリアGP(メルボルン)にフェルナンド・アロンソが欠場する
ということを発表しました。
2月22日のバルセロナでの合同テストの際にコースアウトをしてサイド
ウォールと衝突して脳振とうを起こし、ヘリコプターで病院へと搬送され
その後、意識を取り戻して退院はしたものの事故後、21日以内に二度目
の脳振とうを起こすと致命的になる危険性がある「セカンドインパクト」
というアドバイスを主治医から受けたことにより、開幕戦の欠場を判断し
マクラーレン・ホンダのスタッフ全員がフェルナンドの決断と、主治医の
アドバイスを支持するという発表をしています。
メルボルンでの開幕戦には、ジェンソン・バトンとリザーブドライバーの
ケビン・マグヌッセンが出走することになりますが、車自体の調子もまだ
想定されていたパフォーマンスを発揮していないので、現実的に優勝争い
に絡めそうなのは第五戦となるスペインGPからぐらいではないかという
予測をマクラーレンチームのレーシング・ディレクターがしているぐらい
なので、焦ることは無さそうな感じです。
ちなみにセカンドインパクトというのは、セカンドインパクト症候群とも
呼ばれていて、頭部に強い衝撃を受けて脳振とうを起こした後、約三週間
以内(21日以内)に再び強い衝撃を受けると、脳に重大な損傷が発生し
重篤な症状になる危険性が高まるとされていることで、現在のアスリート
の常識だとされています。
というように考えると昨年の11月にリンク上で他の選手と激しく衝突を
して脳振とうを起こしながら、強行出場した羽生結弦選手の判断はかなり
リスクが高かったということで、あの後、競技団体に対して多くの苦情が
あったのも当然だということですね。
命をかけて戦うから美しいとか、素敵だという考えを間違いだと断言する
医師や監督、責任者が存在し、そのアドバイスを受け入れることを当然と
考える選手がいてこそ安全な競技が成立すると思います。