宮崎駿監督の引退、8年間の歳月をかけ「かぐや姫の物語」を完成させて
昨年、公開した高畑勲監督の今後を想定し、スタジオジブリとしての新作
をいったん小休止することを、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー
が株主総会で発表しました。



78歳の高畑勲監督が今後、新作を作ることは事実上難しいと思いますし
宮崎駿監督はすでに引退を表明していますから、今までのスタジオジブリ
を代表する二枚看板がいなくなった以上、スタジオジブリとしての新作は
作れないというのが実際のところかも知れません。

現在公開されている「思い出のマーニー」はスタジオジブリの特徴である
食べ物を美味しく描く、風景の描写の秀逸さなどは引き継がれていますが
主人公は空を飛びませんし、魔法や魔術も使えません。



等身大のヒトを描くことで、ヒトの想いや大きな意味での愛情を、丁寧に
物語の中に溶け込ませることで映画の骨格を作っている部分は、今までの
スタジオジブリとは違うような気がします。

宮崎・高畑の両監督の作品がジブリを代表するものであれば、ジブリ映画
は製作終了となるでしょうが、個人的には部屋の空気を入れ替えて新たな
スタジオジブリとして新作の製作が行なわれることを希望します。

仕事道楽 新版――スタジオジブリの現場 (岩波新書)
鈴木 敏夫


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