今回のワールドカップの開催国であり、優勝候補であるブラジルが準決勝
のドイツとの試合で、7-1という過去にない完敗をして三位決定戦へと
まわることになりました。

今大会の主役になっていたネイマールとキャプテンのチアゴシウバという
精神的支柱と攻撃と守備の要を欠いてしまうという不運もあるでしょうが
世界のトップレベルのタレントを備えたブラジル代表チームであっても、
中心となる存在が欠けてしまうことによって、動揺し信じられないような
ペースで失点を重ねるということを目の当たりにしてサッカーだけでなく
仕事や趣味のグループなど、あらゆるチームのレベルをアップさせるため
何が必要なのかを考えるヒントが与えられたような気がします。

母国が負けたという現実を冷静に受け入れられない一部のブラジル人達は
同胞同士で殴り合いの喧嘩をしたり、略奪や放火をするなどの不法行為に
走ったという報道があり、新興国のモラルの限界が露呈したとも言えそう
で、これからオリンピックも開催される国として社会の規範を向上させる
努力が必要ではないかと思います。

敗戦によってブラジル人やブラジルが否定されたわけではありません。
転んだら立ちなはれ、立ったら歩きなはれ、というそれだけのことです。

ブラジル人の処世術 ジェイチーニョの秘密 (平凡社新書)
武田 千香


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