千葉県南房総市で伝統あるクジラの解体見学会が開催され、地元の小学生
が招待され、ツチクジラが大きな包丁で解体される様子を見学しました。
省庁同士が利権を争うような別の意味で生臭いミンククジラはともかくと
して小学生に生き物の解体を見せることには賛否両論ありますが、個人的
には有意義な体験だと思います。
私が子どもの頃、祖父の家に行くと鶏小屋の中に鶏がいました。
養鶏場というような大きな施設ではなく、鶏糞の臭いがする決して衛生的
とは言えない、小さな鶏小屋の中に数羽の鶏が飼われていました。
私が行くと普段は肉など食べない祖父が鶏の首を鎌ではねて、毛をむしり
鶏を解体して、さらに石臼を使って骨まで砕いた鶏団子を作ってうどんを
作ってくれました。(それでも骨は固かったのでコソッと出しました)
香港の街市では鶏小屋の中で走り回る鶏を選んで、他の買い物をする間に
鶏肉にしてもらいます。
私が行った時には、首を切り落とされて逆さに吊られて血抜きをしている
鶏が数羽ぶら下がっていました。
というような場面を体験していると生きた動物をモノのように扱っている
食肉工場は清潔で血の臭いなど無縁な感じですが、生き物としての扱いを
受けているかと言ったら、昔、孫のためにと殺されていた鶏の方が生き物
としての扱いを受けていたように感じます。
生き物でありながら、工業製品のように扱われている生き物を見てなにか
感じることはありましたでしょうか?私はもう肉は食べませんなんてこと
を言ったところで何が変わるわけでもありませんが、皆さんはどのように
感じたでしょうか?
屠場―みる・きく・たべる・かく 食肉センターで働く人びと 三浦 耕吉郎 by G-Tools |