もうしばらくすると、イスタンブール・東京・マドリードの3都市が争う
2020年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会の投開票が
行なわれて、オリンピックの開催地が決まります。

オリンピック誘致で復興支援などと、実際にはほとんど無関係な話なのに
東北地方の人々を前面に押し出す誘致理由も違和感を感じますが、さらに
疑問を感じるのは復興支援と言い続けている割に、誘致のスピーチ内では
東北地方に対して非常に冷淡な表現が目立ちます。

安倍晋三首相もプレゼンテーションの中で懸念材料とされている東京電力
福島第一原発の汚染水漏れ事故に関して「コントロールできており、東京
には何の影響も与えない。問題ない」と話したようですが、この発言には
東京が問題がなければ被災地のことは関係ないというように聞こえて復興
云々なんて本当は興味がないと言っているのと同じに受け取れます。

先日も東京と福島は250キロも離れているから影響はない、と発言して
海外の記者に、250キロなんて距離は離れているから安全と言える距離
だとは思えない上に、同じ日本の国内である福島がどんなことになろうが
東京は離れているから大丈夫という表現には同じ国でありながら違和感を
感じると言われていましたから、同じようなことを再び言っていると配慮
がないとか、学習能力がないと思われるだけだと思います。

東京オリンピックの招致活動に国税が投入されている事実については明確
にするようにして、東京都の予算だけで行なっているわけではないことも
きちんと説明する義務があると思いますので、招致失敗の場合には猪瀬氏
は責任を持って国費については返還をするようにしていただきたいです。

IOC: オリンピックを動かす巨大組織
猪谷 千春


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