最近は端正な顔立ちのことをイケメンと言いますが、当時はハンサムと表現し
フランス映画の主演俳優として絶大な人気を博していました。
現在は、そもそもフランス映画自体があまり話題にならなくて、韓国映画とか
中国、台湾の映画が話題になることの方が圧倒的に多くなっているわけですが
フランスで製作されたギャングや恋愛、サスペンスなど、いろんなジャンルで
アラン・ドロンは大スターとして特に日本では人気がありました。
中学、高校の頃は毎週のように映画館に行っていて、好きな俳優や監督の名前
は何十年も前のことでも覚えていますが、アラン・ドロンは別格でした。
榊原郁恵さんの歌で「アルパシーノ+アランドロンよりあなた」なんて作品が
あるぐらいですから、誰もが納得するハンサムだったわけです。
妹がアラン・ドロンにファンレターを書き、私はハリソン・フォードに宛てて
ファンレターを書いたのが、高校の頃でしたが、両方ともポートレートに署名
を入れて返信が来たことに感激したことを覚えています。
日本の俳優にファンレターを送っても無しのつぶてでしたからね、海外の著名
なスターはファンを大切にするという話は事実だったわけです。
今も同じように手紙を書いて、返信が来るかはわかりませんけどね。
それはともかく、88歳になったアラン・ドロンの自宅から、銃器72丁と実弾
3,000発以上が発見されて押収されたことがニュースになりました。
フランスは銃砲所持は法律で規制され、許可を得た人しか所持は出来ないとの
ことですが、アラン・ドロンは許可なく銃砲を所持し、自宅内からは射撃場も
見つかっていて、若かりし頃から実弾射撃の練習をしていたようです。
チャールズ・ブロンソン、三船敏郎との競演もありました。
本来ならば家宅捜索を受けるようなことはない人なんですが、2019年に脳卒中
を発症し、公式には認められていませんが認知症の症状も出ているという状態
にあり、日本人アシスタントがアラン・ドロンに対して虐待行為を行っている
としてアラン・ドロンの家族が告訴をしたことから、裁判所が任命した判事が
自宅の調査に赴き、銃を見つけて通報したことで大きく報道されました。
あくまでも推測ですが、アラン・ドロンの身の回りの世話をしている日本人の
アシスタントにアラン・ドロンの財産を渡したくない家族が、いろいろな理由
をつけて告訴したのではないかと思いますが、家族同士も告訴し合っていると
いう状況なので、莫大な資産を独り占めしたい醜い金の亡者達の争いのために
認知症になっているアラン・ドロンが晒し者にされているようなもので、大金
に目が眩んだ人間たちの所業というのは、どこに国でも醜いものですね。
アラン・ドロンが公式に姿を見せたのは、2019年にカンヌ国際映画祭で名誉賞
を授与された際と盟友のジャン・ポール・ペルモントが亡くなった際に、葬儀
に参列した時が最後になっていて、一前に姿を見せられない状態であることは
年齢からも推察できますが、ハンサムな名優の老後なんですから、金にたかる
家族たちとは別に、おだやかな黄昏時を過ごさせてあげて欲しいものです。