で主役の金田一耕助探偵役を演じていた古谷一行さんが亡くなりました。
中学から高校の頃、角川春樹事務所のメディアミックス戦略で横溝正史さんの
ミステリー小説が相次いで映画化とドラマ化され、映画版では石坂浩二さんが
名探偵・金田一耕助を演じ、テレビドラマでは古谷一行さんが同じ役を演じて
当時は横溝正史さんの小説が一大ブームになりました。
モジャモジャ頭で、シラミの湧いていそうなヨレヨレの風体という金田一耕助
の設定でしたが、石坂浩二さんは完全に吹っ切れていない感じで、なんとなく
作られた金田一耕助という感じがありましたが、古谷一行さんは小説の中から
出てきたようなイメージがあって、映画の中で活躍している金田一耕助よりも
ドラマの中で時々、羽目を外す金田一耕助の方が好きでした。
故・川島なお美さんと共演した失楽園も話題になりしたが、この作品も映画と
競作という形になり、映画の中での役所広司さんと黒木瞳さんの不倫の恋より
テレビの二人の方が濃密な愛情を表現しているように感じましたが、テレビは
放送倫理コードがあるので、素肌を晒しての愛情表現では映画には勝てません
からね、そういう部分を考えると興行成績や視聴率について両者を比較すると
いうことは難しいかと思います。
火曜サスペンス劇場や土曜ワイド劇場など、往年の二時間枠ドラマにも多くの
出演作品があり、ドラマの製作費が削減されて、ショボくなる前に多くの作品
に出演できたのは古谷一行さんにとっては良かったのではないでしょうか。
そう考えると、現在の内容がなく予算がなく、視聴率も低迷しているドラマに
出演している若手俳優は、不幸な時代に役者になってしまったなと思いますが
別の見方をすればハリウッド映画だけでなく、NETFLIXとか韓国のドラマなど
世界に打って出る機会は増えているので、いつまでも日本の小さなマーケット
で名ばかりの大手事務所の下手糞なアイドル崩れの脇役をするよりも、海外に
出てワールドクラスの俳優になるために行動を起こすべきだと思います。
というような脇道にそれてしまいましたが、まだ10代後半から20代後半の頃
に見ていた古谷一行さんは素敵な俳優でした。
一度だけですが、名古屋で開催されたコンサートにも行ったことがあり、役者
として好きだったこともあって、今回の訃報はとても残念です。
心よりご冥福をお祈りいたします。