中学生の頃に悟りを開いたわけでもないですが、引き返すことの出来ない人生
に気が付くという歌詞に凄く共感して、心が動くというフレーズにも感受性の
高かった中学生は反応したわけです。
他にも、伊勢正三さんと大久保一久さんのデュオ「風」の歌が好きで、ヤマハ
のギターでコードを覚えて、弾き語りの真似事をしていました。
伊勢正三さんは「かぐや姫」の元メンバーで、「かぐや姫」の作品だけでなく
イルカさんの「なごり雪」や「海岸通り」太田裕美さんの「君と歩いた青春」
などの作品も作っていましたが、大久保一久さんの所属していた「猫」は残念
ながら大ヒット曲はありませんでした。
でも、伊勢正三さんと一緒に「風」として活動するようになって、シングル盤
ではB面ばかりでしたが、アルバムに収録されていた作品の中には好きな曲も
あって、特に「小さな手」が好きでした。
「風」としてデビューした最初の頃は、フォークデュオと呼ばれる曲調の作品
がメインでしたが、三枚目のアルバムの「Windless Blue」の頃から、POPな
感じの曲が増えてフォークデュオではなく、シティポップとか、そんな呼び方
をされるようになってきて、曲も都会的な(それ以前の曲が田舎っぽいという
意味ではない)雰囲気の曲が主体になってきて「海風」でオリコン1位になり
その後の「MOONY NIGHT 月が射す夜」も、オリコン2位のヒットアルバムに
なるなど、人気デュオの次の作品を期待しましたが、突然の活動休止に入って
少なからずのショックを受けました。
そもそもが、常に進化することを目指して「風」というグループ名を付けたと
いうぐらいなので、停滞とか、固定化するのが嫌だったのでしょう。
それぞれがソロ活動に入りましたが、正式に解散の発表はないままでした。
その後、活動再開の話もありましたが、大久保一久さんが脳梗塞を発病した後
入退院を繰り返していたため、風としての再活動には至らないまま大久保さん
の急性心臓死ということで、永遠に再活動はなくなりました。
猫の「雪」です。脱退後なので大久保さんはこの中にいません。
大久保一久さんのご冥福をお祈りします。