東京オリンピックの開催が決まった時から、個人的には開催には反対でした。
理由は、海外の開発途上国がインフラ整備を一気に推し進めるために、先進国
を自負する国からの援助などを活用して、オリンピックを開催することにより
世界の国々が富を分配し合うことに繋がるという理屈です。
多くの人に理解してもらおうとは思いませんが、各国が覇権を競って軍備拡張
や領土拡張に邁進するような時代はもう終わりにして、いわゆる南北問題など
富む国と貧困国の差を縮めて行くことが、これからの時代は重要だと思うのと
貧富の差が広がることで解決される問題などないわけで、貧富の差を縮小して
揉め事を無くしていく方向に進むことにより、軍事費を削減して、人々の幸福
のために国家予算が使われるべきであると思います。
という観点から見れば、日本も一部の科学、化学技術については先端を走って
いる部分はあるかも知れませんが、少なくとも政治家や官僚のレベルは大概の
開発途上国と同レベルで、毎日のように繰り返されている接待や汚職、改竄に
捏造、失政に対する質問にはまともに答えず、上から目線で国民に指示命令を
することが政治家の役割だと勘違いしているバカの多さに辟易します。
但し、日本には世界に誇る新幹線(速度だけなら海外にでも200キロを超える
速さで走る鉄道はありますが、時刻表と寸分の違いなく運行され、遅延が発生
した時の回復運転などのトラブル対応も含めた運行システムとしては世界でも
比較対象が無いレベルの優秀な鉄道システムだと思います)やほぼ全都道府県
に整備された空港、一日に百台も走行車両が無いほどの山間部にも整備された
高速道路などのインフラが整備されていますから、オリンピックの開催に照準
を合わせてインフラを充実させる必要もないわけですから、そもそも日本国内
でオリンピックを開催する意味はありません。
アスリートが云々とメディアは言っていますが、ワールドカップや世界大会は
大概のメジャースポーツは世界各国で開催されるか、複数の国を転戦するので
ことさらオリンピックだけを持ち上げる必要はありません。
メディアが必死になって開催を主張するのは放映権料を支払う契約をしている
ことや、メディア自体がスポンサーとして「投資」をしているので、開催自体
がなくなると損失が出るために、国民やアスリートを巻き込んで開催すること
のメリットを強調し、四年に一度の大会のために、選手がどれだけ努力をして
大会の開催を楽しみにしているかを放送して、日本人特有のお涙ちょうだいの
共感性を利用しようとしていますが騙されてはいけません。
アスリートの努力の結果を伝えたいのではなく、いかに多くの視聴者の興味を
引いてスポンサーを獲得するのかの営業努力でしかありません。
ビジネスと化したオリンピックを松岡修造のノリで暑苦しく応援したところで
熟した果実を手にするのは政権与党と結託したメディアだけです。
「感動をありがとう」なんて感動の押し売りには、冷めた目線で対応しないと
愛国商売の鴨になるだけです。
それでもオリンピックはスポーツの祭典だと言うのであれば、クレー射撃とか
乗馬とか、マイナーな競技の放送枠は平日の昼間とか、応援者にアピールする
時間帯じゃないんですよね。
普段、世界大会とか気にもしてもらえない競技も含めて、全ての競技について
同一条件で実施されない限り、参加者全員が応援対象にはなっていないわけで
パラリンピックも含めて、セット販売されているコンテンツであることは絶体
否定できない事実なのですから、複数の競技を一カ所に集まって集中的に実施
するオリンピックという競技大会自体が不要になっているのが現実でしょう。
これから10年先になってIOCが存在しているかも怪しいんじゃないかな。