格闘技ブームと言われる昨今、プロレス、ボクシングなどの何十年もの歴史の
あるカテゴリーからUFCとか総合格闘技、RIZIN、K-1、立ち技系など、団体
も無数にあって、実際のところ全てを把握するのは困難です。
プロレスが、エンタテイメントではなく、八百長と言われていた昭和の時代に
一気に盛り上がって、一気に廃れたのがキックボクシングでした。
現在のように選手の安全第一という考えはなく、ノックアウトされても自力で
立ち上がれる限りはレフェリーストップなど、あり得ないような運営でしたし
毎週のテレビ放送に合わせて試合が組まれていましたから、選手に休息時間は
ないような、とんでもない興行でしたから、そりゃ長続きはしないでしょう。
そんなキックボクシングの世界でスーパースターだったのが、元剛柔流の空手
の選手で沢村忠(本名:白羽秀樹)さんでした。
リングの対角線上から相手選手に対して飛び膝蹴りをする「真空飛び膝蹴り」
という必殺技で、主にタイのキックボクサー(ムエタイの選手)を倒し続けて
積み上げたKO勝利数は228ということで、リアルタイムで見ていて本当に強く
カッコいい選手だと感じていました。
テレビ放送が曜日は忘れましたが、毎週午後7時半からあって、他にも選手は
いたはずなんですが、全く記憶がないので沢村忠しか放送してなかったのかな
とも思いますが、坊主の寺内大吉というおっさんが、的外れな解説をしていて
どうして実際に格闘技に関わっていない生臭坊主が解説者なんだろう?という
不満はありましたが、番組自体は毎週見ていました。
視聴率が15%取れれば大成功と言われている現在のテレビ放送衰退の時代から
想像もつかない視聴率30%超えのアニメーション「キックの鬼」のモデルにも
なっていて、現在の若い選手の人気も凄いですが、選手層の薄さもあったので
とんでもない人気スターでした。
格闘技の選手が受賞するのは珍しかった日本プロスポーツ大賞を受賞してから
4年後に唐突に消息不明になったりして、引退してしまい、キックボクシング
も一気に超マイナーなカテゴリーになってしまいました。
神童、那須川天心の登場で盛り上がってきたキックボクシングですが、天心が
来年で引退してしまうので、再び、人気は落ちるのかな?という気はしますが
それはともかくとして沢村忠さんの話を続けます。
引退後はしばらく姿を消していましたが「あの人は今」みたいなテレビの企画
で、自動車整備工場を経営する傍らで、子供たちを相手にキックボクシングの
指導をしている姿が流されて、全くの他人にも関わらず、なんとなく安心した
ことを覚えています。
その沢村忠さんが3月26日に肺がんのために亡くなっていたそうです。
沢村さんとは関係ありませんが、一緒に日産系販売会社に就職して私は転職を
しましたが、ずっと会社に残って現在は営業所の店長を務めていた同期の人が
肺がんで亡くなったのが3月18日でした。治して戻ってくるからと言っていた
本人が唐突に亡くなってしまったのはショックが大きくて、最近になって少し
冷静に受け止められるようになりました。
肺がんの怖さを再認識したわけですが、沢村忠さんも肺がんで亡くなっていた
というのは、これまた残念な話だと思いました。
医学が進歩しても自分自身の細胞が敵になる癌を克服するというのは難しいと
いうことなのでしょうね。
ともかく、沢村忠さんは78歳で亡くなってしまいました。
年齢的には癌の増殖は緩やかなはずで、体調を崩したのは去年の夏で、その後
療養していたとのことですから、突然の急変ということではなさそうです。
ポケモンGOの中に登場するサワムラーのモデルでもありますから、沢村忠さん
は亡くなっても名前は当分、残ることでしょうね。
沢村忠さんのご冥福をお祈りします。