市販されていたアルコール除菌剤がアルコール濃度71%と表示されていながら
実際には5%以下の商品が流通していたとして問題になっています。
韓国からの輸入品ということで、一部の似非右翼が韓国から輸入したものなど
販売するからだと水を得た魚のように喜んでいますが、輸入した日本の会社が
ラベルを張っていたわけで、輸入する時点の契約段階であえて説明を聞かずに
故意に不当表示をしたのであれば輸入販売した会社の対応に問題があることに
なりますし、会社の言い分通りに製造会社の資料をそのまま信じて濃度を表示
したとしても内容の確認を全くしなかったのは落ち度があるわけで、韓国製と
いうことに問題があるのではなく販売した会社に問題があるのは当然です。
私は国産品へのこだわりなんて全くないですし、実際に国産品なんてかなりの
高額(100ml=1,000円以上)の上に品切れ状態なので韓国製のハンドジェル
を何種類か比較しながら使っていますが、普通にアルコール臭はしますし手に
付けて擦り込むと冷涼感を感じますので表示通りの62%以上の濃度はあるもの
と思っています。(一応買う時は口コミで★の多いものを買っています)
という話はともかくとしてアルコール製剤を購入している人たちの中には一部
アルコール製剤の効能・効果を発揮するアルコール濃度を誤解している人たち
がいることを通販サイトの口コミなどを見ていて意外に多いと感じています。
さすがにアルコール濃度が100%でなければダメだと思っている人はいないと
思われますが、80%以上なければ効果が弱いと思っている人の口コミはたまに
見かけることがあります。
そもそもアルコールによる殺菌効果はアルコール濃度8%を超えたあたりから
効果が出始め20%ぐらいまでは時間がかかる(30分から48時間)ものの殺菌
作用があるので静菌の役目を果たすことは出来ます。
ですが、それだけ時間がかかると外出から帰った後に手に擦り込んだとしても
生活面では意味がないのが実際のところなので、除菌・殺菌を求めるのならば
40%以上80%までの濃度にすることで細胞膜の破壊、蛋白構造が急速に進んで
細菌は5分以内に殺菌されるので、アルコール濃度40-80%のアルコール製剤
を購入すれば手を清潔にするという目的は達せられます。
この範囲の中でもっとも効果的な分子構成比はエタノールと水が1:1である
状態であり濃度で表現すると70%ということになります。
ちなみに80%を超えるとアルコールの蒸発が速く進んでしまうために40-80%
のアルコール濃度よりも細胞の破壊に時間がかかり、20-40%の濃度と同程度
の効果しかないことが衛生用品メーカーの研究で明らかになっています。
またアルコール濃度が高いと皮膚の細胞が傷つくので手荒れが発生することに
なりますから、アルコール製剤として販売する場合にはグリシン、リゾチーム
脂肪酸エステル、キトサン、天然由来の抗生物質、プロピレングリコールなど
の添加物とアロエやハーブ類などの天然植物成分でアルコールの蒸発を防いで
手に馴染みやすいようにジェル状になるように作られています。
ということで、40%だとアルコール臭も少なくてイメージ的に効果が薄いもの
だと思われる(実際には効果は発揮されます)ので、市販品のアルコール製剤
は60-80%に調整されている場合がほとんどです。
口コミを見ていると70%とか71%の商品を探しているのに、69%の商品しか
見つからなくて残念というコメントがありますが、実際のところ62%の商品と
71%の商品に殺菌効果の違いはありません。
一つこだわるとしたら添加されている薬剤やハーブ類が手に優しい素材である
ことを確認して購入するのが良いでしょうね。単に薄めただけのタイプを直接
手に擦り込むとアルコール耐性の弱い人は手が真っ赤になってしまいますので
ハーブエキスなどを混ぜて、トロトロの濃いジェル状のタイプのものを使うと
手荒れ防止と殺菌効果の両方があるので常用しやすいと思います。
アルコール製剤を塗った後でタバコを吸おうとして引火して火傷をしたという
事例もあるようですので、手にしっかりと擦り込んで乾燥した状態を確認して
から火を触るようにするのが怪我の予防に大切です。