また、床や壁に脂が染み込んでいるようなお店は、逆にそれだけ清潔感がない
お店でもお客さんが来るのだから美味しいんだろうなぁ、という別の意味での
納得性があるようにも感じます。
都市部では特定の場所に固定的に屋台のラーメン屋さんが店を出しますが私が
住んでいるような田舎町では、そんなことをしても売上が期待できないという
ことで、軽トラックを改造した屋台が定期的に巡回をしていました。
以前は夜鳴きそばと言って、チャルメラを鳴らしながら(当然、テープです)
軽トラックを改造した屋台でラーメンを売りに来る人が何人かいて、曜日毎に
違うラーメン(毎日ではない)を食べることが出来ました。
さすがに田舎町では、このようなリヤカーの屋台は無かったです。
それがいつの間にか、巡回する間隔が開いていって、今では全く定期的な屋台
の夜鳴きそばは現れなくなってしまいました。
強盗殺人事件の被害者になった店主もいましたから、ラーメン屋さんはお金が
儲かる商売だと思われていたのかも知れません。
どんぶりは自分持ちで、目の前で作られたラーメンを大切に家の中に運び熱々
の職人芸のようなラーメンを食べるのは楽しみだったのですが、あのワクワク
とした感覚を感じることは二度と来ないような気がします。
10年ぐらい前までは、ごく稀にチャルメラを鳴らしていく軽トラックの屋台が
ありましたが、どんぶりの準備が出来ていない時に止まる様子もなくトットと
走っていってしまいますから家を出て止めようという気にはなりません。
どうして屋台のラーメンが無くなってしまったのか?
地域ごとに違いはあるかとは思いますが、私の住んでいる地域の例では店舗を
構えてラーメン店として営業している人がいますし、安定的な収入がある仕事
ではありませんからある程度の常連さんを持てるだけの土台を築くまでに資金
が枯渇したり、本人の体力面、精神面が持たないこともあるでしょうね。
ラーメンを作る料理人であり、地域を巡回する営業マンであり、自ら運転する
ドライバーでありながら経営者でもあるわけですから、ただ目の前でラーメン
を作ってもらって食べているだけの立場(お客の私)からは、想像もできない
ような苦労もあるかと思いますので、誰もが店のオーナーになって成功すると
いうものでもありませんからね、止める人の方が多いでしょうね。
但し、良い想い出ばかりではないのが世の中の厳しいところなわけで一度だけ
のことなのですが、ラーメンのスープが犬臭かったことがあります。
40年近く前の当時は、まだ豚骨ラーメンなんて食べたこともない頃だったので
今になって思えば豚骨ダシの獣臭さだったのかも知れませんが家で飼っていた
犬の顔が思い浮かんで食べられなかったことがありました。
いくら屋台で移動しているとはいっても、移動中に犬を捕まえてダシにすると
いうようなことはありえないとは思いつつも想像力豊かな少年の頃だったので
よからぬ想像までしてしまったものです。
他の地域では、まだ夜鳴きそばってあるのでしょうかね。
屋台のラーメンで思うこと
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