今回は地元・愛知県のミステリースポットのお話です。
愛知県犬山市に桃太郎神社という神社があります。
桃太郎といえば岡山でしょうというのは、日本では常識でも日本全国で見れば
共通認識ではないということで、犬山市周辺ではあくまでも、桃太郎の故郷は
桃太郎神社周辺ということになっていますし、話は少々本題からは外れますが
浦島太郎が目覚めたのは海ではなくて、木曽川の上流にある岐阜県の寝覚ノ床
という場所ということになっています。
古事記の中で日本列島を生んだ後、山や石、海など自然界に存在するいろいろ
なモノを生んだ神様であるイザナミノミコトは、最後に火の神「カグツチ」を
生んだ際に下半身に大火傷を負い亡くなってしまいます。
※原文では「ほと」となっていて女性器のことです。
お腹の中にいた時には無事だったのに生まれた途端に、生んだ部分にやけどを
するという話に疑問符が付くところですが、そこは華麗にスルーされていると
いう辺りがなかなかご都合主義の神話なんですが、それはともかくとして死亡
したイザナミに再開したいと願う夫のイザナギノミコトは黄泉の国へ亡き妻に
会いに行くわけですが、イザナミはすでに腐乱した姿に変わり果てていたため
黄泉の国から脱出を図るわけですが、そこで役だったので聖なる木の実の桃と
いうことで、イザナミが放った追っ手を桃の実を投げて撃退したという話から
桃太郎(聖なる木の実から生まれたヒーロー)伝説が出来たとされているので
その舞台は岡山でも愛知でもどこでも良いわけですよ。
そんなわけで古くから伝承されてきた桃太郎伝説の一つの所縁の地として犬山
には桃太郎神社を中心とした周辺エリアに犬山(犬)猿洞(猿)雉ヶ棚(雉)
など桃太郎伝説ゆかりの地名があり、神社から見て鬼門になる方向には鬼ヶ島
という地名も存在していて、伝承しては、なかなか本格的になっています。
元々の神社の由来は大昔の神々の時代にまで遡りまして、イザナギノミコトの
跡継ぎの一人である女神の天照大神が黄泉の国で悪鬼どもと戦って疲弊した時
に、桃の威力によって復活して危機を脱することが出来たことで聖なる木の実
桃の力を実感したわけですが、その後、人間界が鬼の悪行三昧に苦しめられて
いるという実情を聞き及び、天照大神は桃から生まれた桃太郎として人間界に
光臨し、人々を悩ます鬼どもを退治して天界(高天原)に帰ったという御神徳
を讃えて神社を建立し祀るようになったと記されています。
天照大神の息子が神武天皇(初代天皇)ということになっていますが、これは
あくまでも神話の世界の話です。
神社自体はとても小さなものですが、お婆さんが毎日洗濯していて桃を拾った
とされている大きな岩があったり(お婆さんの足跡が残っています)桃太郎が
討ち取った鬼の首のミイラがあったりと、ミステリー好きな人にも興味深げな
神社だったりするのですよ。
元々は神社の下にある木曽川にあった洗濯岩
お婆さんが毎日、洗濯していたので足跡が残ったらしいです。
犬山モンキーパークの最寄駅である名鉄犬山遊園駅から歩いたら30分以上も
かかる山の中にありますから、歩くのが嫌な人なら車で行かないと難行苦行と
いうことになるかも知れませんが、これからの涼しくて外歩きが苦にならない
時期には散策コースとして歩いている人も結構います。
以前は鬼ではなく、野生猿が出没して食い物を出せと追いはぎしていた記憶が
ありますが、今はどうなんでしょうね。噂は聞かなくなりました。
その猿だけが歩いて行く時の大きな不安要因と言えそうです…。
今はもう故人になっているコンクリートで像を造る造形作家である浅野祥雲氏
が遺したコンクリート像もありますので、愛知県にお越しの際は犬山まで足を
伸ばしてみるのも良いかと思います。
但し、写真はかなり前に撮ったものなので現存しているかはわかりません。