まだK-POPという言葉さえなかった1990年代に、NaNaNaという
作品が大ヒットして、日本でも一部では知られていたユ・スンジュンと歌手が
いました。(亡くなったわけではありません)
私がたまに書いているTURBOの一期と二期と被っているぐらいの頃で韓国
のエンタメ界が現在の日本の芸能界のように、事務所の力が過剰に強く、所属
している芸能人が意に沿わないことをさせられて引退したり、事務所との契約
を破棄してテレビ出演を妨害されるなど前時代的な待遇を受けていた頃のこと
でしたから、唐突に表舞台から姿を消したために事務所との重大なトラブルが
原因だという話が出て、日本でも一部の新聞では報道されました。
結論として、ユ・スンジュンは突然、芸能界を引退してアメリカ市民権を獲得
してアメリカに移住したことが判明し、NaNaNaがヒットして、これから
さらに人気上昇間違いなしだったはずなのに、どうして?ということになって
報道関係者がいろいろと調べたところ、実は公益要員招集通知(兵役の招集)
を受け取ったため、大急ぎでアメリカの市民権を得て兵役の免除を受けたこと
が判明し、目的は兵役逃れだったことが判明したわけです。
問題にはなったもののアメリカの市民権を得て、アメリカ人になってしまった
人を強制的に連れ戻すことは出来ませんから、いつの間にか話題に上がること
も無くなりましたが、そんな逃亡事件から約20年が経ち、祖国での再始動を
したいということで韓国への入国ビザを申請し、韓国への入国を求めましたが
韓国総領事館にビザ発給を拒否されたため、入国の権利を求めて訴訟を起こし
韓国への入国を求めましたが、韓国の裁判所の判決はアメリカの市民権取得は
兵役逃れと断定し、入国拒否を支持する判決を出しました。
そのようなわけでユ・スンジュンは韓国人でありながら韓国に住む権利がない
どころか入国さえできないことが確定したというのが結末でした。
韓国の徴兵制は見直しの気配もありませんが、現在の韓国人の芸能人は全員が
兵役を拒否することなく約24か月の軍隊生活を経験しているので、同じように
兵役逃れをする人はいないような感じですが、アメリカが徴兵制を廃止する前
には兵役を拒否して資格をはく奪されたモハメッド・アリ(兵役拒否した当時
はカシアス・クレイだったのかな…今一つ記憶が定かではありません)の例も
ありますから、基本的人権という意味では本人の意志を無視して苦役を科すと
いうのは問題ではあると思います。
とは言いながら、他国の国内事情に対して口を挟むような愚か者でもないので
徴兵制度に対して批判も肯定もしませんが、現在の日本においては安倍晋三や
その周囲の人間たちは、25歳未満の男子を対象に徴兵制を取り入れるつもり
のようですから、日本においても芸能人が兵役に就くとか、兵役逃れの手段を
考えるなんてことがあり得る状況になりかねないのが実際のところです。
それについて芸能人の追っかけをしている人達はどう考えるのでしょう?
日本では金持ちや政治家の子供は徴兵されないという前提で話を進めていると
いう見方もあるみたいなので、大手事務所のタレントは兵役免除、弱小事務所
のタレントは徴兵なんていう差別的な対応が行われそうな気もします。
バカな政治家と経団連の金の亡者どもが結託して徴兵制を制定する前に、若い
世代の人たちが政治に興味を持たないと世の中は嫌な方向に動くのが確実だと
見ていますが、政治の話をすること自体がイケてないと言われるような世の中
では、政治に関心も持てないような無関心な人は徴兵されても仕方ないのかな
なんて思ったりもしますが、いやいや政治に関心がなくても平和に暮らせると
いうのが平和憲法の理念だろうと思い直します。
それでも安倍晋三を立派な総理だと持ち上げているNHKの女性アナウンサー
なんかを見ていると、若者たちよ、そろそろ目覚めなきゃ自分の命が危ないぞ
と本気で思いますがそれを伝える術はないのが残念です。