7月20日は土用の丑の日ということで、ウナギを扱う生産者にとっては
年に数度(最近は春の土用とか冬の土用とかなんでもありですからね)の
ビッグビジネスのチャンスということになりますが、国産ウナギの養殖を
行っている生産者にとっては、ウナギが売れない傾向が数年前から進んで
きていて存続の危機になっているようです。
生産量はシラスウナギ(ウナギの稚魚)の漁獲量がそのまま反映するので
昨年と比べて四分の一という減少で、需要が供給を大きく上回り出荷量が
不足する事態が予想されていましたが、国産ウナギの価格の高騰ぶりから
ウナギの蒲焼を焼く老舗の専門店から外食産業まで外国産ウナギを主原料
にするようになっているために国産ウナギが売れないのが実際のところで
宮崎県の養鰻業者は廃業の危機にさらされているみたいです。
国産と表示すればプレミアム商品として高額であっても確実に売れていた
時代は終わったということか、輸入原料の信頼性が向上した、または絶滅
が心配されるニホンウナギをわざわざ食べる必要はないではないかと人々
に自然保護意識が浸透してきたのか真実は分かりませんが、生産者からは
異常事態だと認識されているようです。
消費者側の一人としては、一昔前のような発がん性物質で消毒された水で
育てられているのが輸入ウナギ、というような認識は持っていませんので
メニューを見るだけでドキっとするような4000円を超えるうな丼とか
安全・安心・美味しいといくら声を大にして言われても手は出ません。
私的にもう一つの異変として感じているのは、昨年はメディアもこぞって
取り上げていたナマズ(近大ナマズ)の蒲焼が全く話題にも上らなくなり
ナマズでの代替えは失敗だったのか、想定していたほど順調に養殖業者が
育成することが出来なかったのか、その辺りは全く分かりませんが去年の
騒ぎ方と比べて今年はあまりにも静かすぎて怖いぐらいです。
地球上からウナギを絶滅させるほど必要不可欠な食材だとは思われないと
いうことなのか、土用の丑の日にウナギを食べるという古い慣習が完全に
見直されつつあるのかわかりませんが、今年のウナギの販売状況は例年と
変わってきているのは確かなようですね。