謀反を起こした張本人ですから歴史の中での評価は低く、首塚や胴塚など
歴史遺産として目立つ場所に表示されているはずの遺跡も落ち武者狩りで
百姓の竹槍で急襲された藪の近くにひっそりと現存するだけという歴史上
影の存在にあたる武将がNHK大河ドラマの主役になるのは初めてのこと
ではないかと思います。
2020年の大河ドラマのタイトルは「麒麟がくる」で、通常のドラマと
違って原作がないというのも異色な存在で、開催できるかどうかは不明確
だと思っていますが、東京でオリンピックが行われる特別な年ということ
も意識して、あえて既定路線とは違う内容にするのでしょうね。
比叡山延暦寺の焼き討ちでは後処理も含めて中心的な役割を果たしている
明智光秀ですから、1500人から数千人までと犠牲者の幅は広いものの
少なくとも1000人以上の僧侶や女子供を含む住民を殺戮した残虐性は
持っていたはずなので、正妻以外に妾を持たず実直で暴虐的な織田信長の
性格に耐え切れずに主君を殺害することを決意した、という謀反の理由に
ついては、あまり信憑性が感じられないと個人的には思っています。
別の理由として信長が本能寺で徳川家康を謀殺しようと明智光秀に暗殺を
命じたため、次は自分がその標的になることを案じて逆に徳川家康と内通
の上で謀反を起こしたという説がありますし、事件当日は中国攻めをして
いた豊臣秀吉に謀られて信長を追い詰めて自害させたものの殺害した途端
に豊臣秀吉の裏切りにあい、山崎の戦いでは豊臣軍に敗れて敗走中に百姓
に討たれたとか、謀反そのものの詳細が謎のままになっている歴史人物を
どのようにドラマの主役として扱うのか興味があります。
個人的に大河ドラマの最高傑作だと思っている「武田信玄」を超えるのは
難しいんじゃないかな?とは思いますけどね。