隔週刊(毎月10日・25日発売)の漫画雑誌「ビッグコミック」誌上で
「総務部総務課山口六平太」を連載していた、というか11月10日発売
のビッグコミックでは病気療養中という表記もないままに掲載されていて
突然の終焉ということになってしまったぐらいに、想定外だったのが作者
高井研一郎さんの逝去でした。
ちょうど30年前の1986年から連載が開始になり、ビッグコミックの
掲載作品の中では、ゴルゴ13の次に歴史の長い作品になると思いますが
山口六平太が交際している社長秘書の吉沢小夜子とは婚約したまま結婚に
至ることなく、そして定年間際の今西課長や万年係長の有馬などそれぞれ
のサブキャラの落ち着き先も決まらないまま、連載中止になるようです。
漫画の中とはいえ、山口六平太とは30年近い付き合いになりますからね
せめて大日自動車のマドンナと呼ばれている才色兼備の婚約者と結婚して
連載終了とか、出来ないのかなとは思います。
原作者としては林律雄さんという方がいて、高井研一郎さんは作画を担当
していましたから、ハッピーエンドの方向でストーリーを書いてもらって
アシスタントで作画するみたいなことは出来ないことはないと思いますが
そういうことは出来ないなにかがあるのでしょう。
そう言えば、ビッグコミックでは2013年にも「華中華」という作品が
この場合は作画担当者ではなく原作者でしたが、急病で亡くなったために
遺族と原作者の生前の意向で完結しないまま終わっていますから、同様の
理由によって、それぞれの登場人物の後日譚はそれぞれの読者に託された
ということになっているということなのでしょうね。
あまりドラマティックな展開のある漫画ではありませんでしたが、日々の
淡々とした流れの中で、山口六平太の名言と言われるような台詞もあって
支持する人も多かったので単行本が80巻になるほどの長期連載が続いた
ということだと思われます。
丸めた新聞紙で部下の頭を叩くなど、現実離れした描写(昭和の時代なら
ともかく今ではパワハラと言われそうです)もありましたが、ある意味で
ビッグコミックの代表作として連載されていましたから寂しくなります。
高井研一郎さんのご冥福をお祈りします。