今は二人とも亡くなっていますが、野坂昭如さんと小沢正一さんと交流が
あり、三人で日本武道館でイベントをしたこともありましたが、それぞれ
に個性的な人だったので、なかなか一緒に仕事をする機会はなかったかも
知れませんが、小沢正一さんの「小沢正一的こころ」も好きなラジオ番組
だったので、永六輔さんの「誰かとどこかへ」を聴いていた私には二人の
番組が(実際の内容は全く違いますが…)一緒の番組だったような記憶が
ありまして、今の時代になんとなく江戸の風情を感じさせる話芸みたいな
ものを感じていたような気がします。
「上を向いて歩こう」は明るい曲調なのに対して、「遠くへ行きたい」は
失恋した後に聞いたら、確実に押し入れに籠りたくなるような曲ですが、
中学生の時の校内合唱大会では、かならずどこかのクラスが歌っていたと
いうこともあり、歌詞を見なくても今でも歌うことが出来ます。
歌を聞いた瞬間に、どこまでも続く道とか線路の情景が思い浮かび、過去
に訪ねた旅先やイメージの中の憧れの旅先を思うことが出来る素晴らしい
歌詞で「知らない人に巡り合いたい」なんてハードルの高いことは望んで
いませんでしたが、今までに見たことの無い世界に触れてみたいと考えて
一人で旅行をした思い出は、確実に「遠くへ行きたい」という名曲に触発
された結果ですからね、人生の中で永六輔さんの歌を聴けたことで出来た
経験はいろいろとあります。
天国への旅立ちを感謝の気持ちでお送りしたいと思います。
むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く 永 六輔 by G-Tools |