「ディア・ハンター」は三時間を超える長い映画でしたが、途中で眠気が
くることもなく最後まで観続けた映画の一つです。
出演していたジョン・カザールが癌に罹患していて撮影終了後、一般公開
されるまでの間に亡くなってしまったということもあり、映画全体が暗い
雰囲気ではありましたが、戦争によって肉体が傷ついただけではなく心に
大きな傷を負っているアメリカ人が、多数存在する事実に目を向けさせる
とても意義深い映画だったと今でも思っています。
ジョン・ウィリアムズのテーマ曲もとても良い曲ですが、ジョーズなどの
映画で知られるジョン・ウィリアムズとは別人です。
「ディア・ハンター」の成功によって評価を得たマイケル・チミノ監督は
4400万ドルの巨額を投じて(今では大作映画としては普通の額かも)
「天国の門」を完成させますが、製作費の10%も回収できない大コケを
してしまい、製作会社のUA(ユナイテッド・アーティスツ)は破綻して
映画会社を潰した映画として有名になってしまいました。
さらにその後で作った「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」も製作費の回収が
出来なかったということで、興行的には失敗作が続きましたが、内容自体
については評価の分かれるところです。
結果としては失敗作になりましたが、約80億円のお金を使って作りたい
映画を自由に作ることの出来た監督は幸せだったんじゃないのかな。
ディア・ハンター デジタル・ニューマスター版 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD] by G-Tools |