大瀧詠一さんが亡くなって、まだ一週間も経っていませんが、暦の上では
去年の出来事ということになっていて、何となく時間感覚がずれたような
違和感を感じています。

近親者のみで日程非公表で執り行われるとされていた葬儀・告別式は4日
に営まれ、「はっぴいえんど」の当時から親交のある作詞家の松本隆さん
ミュージシャンの細野晴臣さん、鈴木茂さんが棺を支えたようです。

松本さんは、ツィッターで葬儀に参列したことを綴り「今日、ほんものの
十二月の旅人になってしまった君を見送ってきました。ぼくと細野さんと
茂の三人で棺を支えて。持ち方が緩いとか甘いなとか、ニヤッとしながら
叱らないでください」と大瀧さんへのメッセージを書かれています。

夏や秋のリゾートをイメージしたような心地よさを感じる作品が多かった
大瀧詠一さんですが、厳寒のシベリアの大地を駆け抜けるシベリア鉄道を
題材にした「さらばシベリア鉄道」もまた美しい楽曲になっていますが、
この作品を織り込んだ弔辞も綴られています。



「眠るような顔のそばに花を置きながら、ぼくの言葉と君の旋律は、こう
して毛細血管でつながってると思いました。だから片方が肉体を失えば、
残された方は心臓を素手でもぎ取られた気がします」「北へ還る十二月の
旅人よ。ぼくらが灰になって消滅しても、残した作品たちは永遠に不死だ
ね。なぜ謎のように「十二月」という単語が詩の中にでてくるのか、やっ
とわかったよ。 苦く美しい青春をありがとう」

数多くのヒット曲の詞を書いてきた松本隆さんと共に、ほとんどの作品を
作り続けてきた大瀧詠一さんの真価が多くの人に認知されるのは、逝去後
のこれからになるのかも知れませんね。

A LONG VACATION 30th Edition
大滝詠一

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