「白い巨塔」「華麗なる一族」「大地の子」「沈まぬ太陽」など社会問題
を題材に取り上げ、大胆な脚色によってスケールの大きい物語に仕上げた
ベストセラー小説と小説を原作として映像化された映画やテレビドラマの
原作者として知られる山崎豊子さんが88歳で逝去しました。

主に浪速の女性を描いた直木賞作家から「白い巨塔」で医療機関、医学界
の暗部を描いた社会派作家へと転身を果たし、その後も実際に起きた事件
や社会問題に切り込む作風で人気作家の座を守り続けた生涯でした。

猟銃自殺を遂げた田宮二郎さん主演で作られた「白い巨塔」は、後に再び
田宮二郎さんが主役でテレビドラマ化され、その後も村上弘明さんの主演
で前後編のスペシャルドラマ、唐沢寿明さんの主演で連続テレビドラマ化
されたりして、一つの作品が何度も映像化されています。



最近では2009年に日本アカデミー賞を受賞した「沈まぬ太陽」が発表
されて健在なところを示していましたが、さすがに現在は連載小説の執筆
などはされていませんでした。

屈指の社会派作家、山崎豊子さんのご冥福をお祈りいたします。

運命の人(一) (文春文庫)
山崎 豊子


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