ここのところ毎年のように人工衛星が落下する事態が起きています。
現在までのところでは、落ちてきた衛星が建物を破壊したとか、飛行機に
命中したとか、歩いている人を直撃したなんてことはなくて、全て海面に
落下して回収されることなく海底に沈んでいますが、いくら海面の面積が
広いと言っても、次が安全であるという保証はありません。

そんな衛生の落下ですが、地球の重力と海洋循環を観測するためにESA
=ヨーロッパ宇宙機関によって、2009年に打ち上げられた人工衛星の
GOCEが10月中旬に地球に落下、粉砕する危険性が高いことがESA
の発表によってわかりました。

現在は上空260キロの周回軌道を飛んでいますが、9月末から11月の
始めまでの間に燃料が尽きてエンジンが停止し、10月16日か17日に
地上に落下してくる確率が高いようです。

総重量1000キロのうち、約250キロ分の機体が燃え残るために40
-50個の破片が900キロメートルの範囲内に降り注ぐようです。

落下位置を推定することは現時点では不可能で、予測がつき次第ESAが
各国に対して勧告情報を流すそうですが、900キロの範囲内から数時間
で避難しろと言われても難しいので、少なくとも一日程度の猶予は欲しい
と個人的には思います。

宇宙へ「出張」してきます ―古川聡のISS勤務167日―
古川 聡 林 公代 毎日新聞科学環境部


by G-Tools