かなり前に映画になった海軍特別攻撃隊(神風特攻隊)に出撃した青年達
を描いた物語のタイトルであり、松山千春さんの歌の題名でもあります。

映画自体は、どうして終戦間際の日本の兵隊の中にこんな体型の男が?と
大きな疑問を感じてしまう松村邦洋なんてタレントを使ったりしてあまり
良い印象はありませんでしたが、全否定する程の悪い内容でもなかったと
記憶しています。

1945年8月15日、四年前の12月8日に開戦したアメリカを主体とする連合国
との戦争が終結しました。

開戦前の軍部によるシミュレーションでも敗戦が想定されている中で開戦
軍人の自己顕示欲を満足させるために満足に資源もない国が戦いに臨んで
その結果として多くの軍人・軍属の戦死者、国民の犠牲、東南アジア各国
に出兵していまだに帰国できないまま、南国の密林、南海の砂礫の中へと
埋もれている方々も残されたままになっています。

大日本帝国の最終兵器として開発された、特攻用ロケット機・桜花や人間
魚雷・回天など、国を思う若者達の命を犠牲にしながら、結局は、矢折れ
弾尽き果てて無条件降伏の道を選びました。

当時のアメリカ軍の将校たちは、数千・数万の機銃掃射の中を掻い潜って
自分達の艦船に突撃し自爆するパイロットを恐れると同時に、そんなにも
優秀な技量を持つパイロットを、人間爆弾として一度きりの攻撃によって
死なせてしまう日本軍の戦略を理解できなかったとされています。

一度離陸したら戻ることの許されない戦闘機・攻撃機、飛行機を調達する
ことが厳しくなってきた末期には練習機までが投入されて、約千キロ先の
目標まで航路図と上空からの目視によって到達した優秀なパイロット。


鹿児島県・知覧にある、知覧特攻平和会館に展示されている
福岡近海で引き揚げられたゼロ戦の残骸

南の海に散華した、あなた方を決して忘れない…私は8月15日を迎える度
に同じことを思っています。

文庫 ホタル帰る 特攻隊員と母トメと娘礼子 (草思社文庫)
赤羽礼子 石井宏


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