子どもの頃(3-4歳の頃のことを覚えているのですから、三つ子の魂百
までという言葉を考えた人は凄いと思います。)に見ていた、円谷プロの
伝説の特撮ドラマ「ウルトラQ」が、デジタル技術によって白黒映像から
カラー映像になったDVDが販売されています。

記憶の中では自分で勝手に色付けをしているために、白黒作品という感覚
があまりありませんが、やはりゴメスもペギラもナメゴンも白黒の世界で
それが故に怖さが増幅されていたような気もしないでもありません。

主要な出演者であった佐原健二、西條康彦、桜井浩子の三人の役者さんが
いわゆる高齢者に属する年齢になり全員健在というのも凄いと思いますし
ゴメスやカネゴンの着ぐるみが、今でも宣伝のために登場するというのも
円谷プロダクションの物持ちの良さが反映しているように思います。

ケムール人がドロドロの液体を吐きだして悶絶するシーンとか、幽体離脱
みたいなテーマで女の子が夜中に移動する話とか、夜に寝られないぐらい
怖い話もありましたが、独特の世界観に魅了されていた幼児でした。





ウルトラQでは人間に取られた子どもを取り戻すために海辺の集落に出没
したラゴンが子どもを取り返すと人間に危害を加えることなく海へと静か
に帰って行ったのに、ウルトラマンでは核兵器の実験によって巨大化して
理性を失うほどに暴れ狂ってしまいウルトラマンに倒されてしまった様子
を見て、子どもながらに核兵器の怖さを心に刻んだものでした。

ゴジラからウルトラマンへと続く核廃絶の願いは何十年も経ったいまだに
達成されることなく、原子炉の暴走に翻弄されている日本があります。

原子力政策を推進するために、反原発的なドラマや歌などの創作物を放送
禁止にしたり、発売禁止にしたりしたツケが今の状況を生んでいると明言
は出来ませんが、核施設を怖いと言えなくしたメディアや自民党、電力や
重電メーカーは真摯に反省し、まずは福島を元に戻すべきです。

『総天然色ウルトラQ』Blu-ray BOX Ⅰ


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