子どもの頃からテレビで見ていて「あ~あんあ、やんなっちゃった、あ~
あ、驚いた」とウクレレを伴奏しながら漫談を喋る牧伸二さんはテレビに
登場する頻度から、かなり身近なお笑い芸人でした。



今のお笑い芸人のように瞬間芸みたいな荒っぽい芸をして、数年以内には
消えて行くような存在ではなく、何年経っても基本的な芸は同じでしたが
話の内容は変化・進化を続けていて数回見ただけで飽きるような底の浅さ
はなく、私が子どもの頃から中高年と言われる現在の年齢まで、親しみを
感じる芸人として拝見させていただいていました。

その牧伸二さんが多摩川に飛び込んで、自ら命を断ちました。
享年78歳、自分自身の意思で命を投げ出すまでも無く、普通に考えたら
平均寿命の年齢ですから、今までの芸能活動の集大成として、漫談を披露
するとか、逆に自分自身の人生の中で、やり残したことに取り組むとか、
そんな生き方で牧伸二を続けていただきたかったと思います。

遺書がないため自殺の理由として考えられることは公表されていませんが
東京演芸協会の会長として、悩みを抱えていたという意見もありますから
1999年から続けてきた会長として、何か譲れないこととか想像以上に
大きな何かの決断をする必要があったために悩みを一人で抱え込んだため
結論を出すことに苦慮した揚句、自らの存在を消すことで、悩みから解放
される道を選んでしまったでしょうか。

同じくお笑い芸人として、ポール牧さんも自殺してしまいましたが普段の
お笑い芸人としての顔の裏で、プライベートで苦悩する姿は見せられない
といった芸人のプライドが自らを追い込んでしまうのかも知れません。

最近、年齢を重ねた芸能人がバタバタと亡くなっている印象がありますが
わざわざ、その流れに乗らなくても良かったのに、と残念な気持ちです。

えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経 (ヨシモトブックス)
笑い飯 哲夫


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