映画「パラサイト 半地下の家族」に、IT会社を経営する富豪の役で出演して
海外でも注目された韓国の俳優イ・ソンギュンさんが自己所有の車内で練炭を
焚いて自ら命を絶ちました。
韓国の報道では本人の尊厳と周囲への影響を抑えるために、自殺という表現は
使われず、極端な選択という表現がされます。
風俗店の女性経営者に睡眠薬だと騙されて、麻薬を服用したことを理由にして
恐喝され、日本円換算で3,000万円以上を脅し取られた挙句、さらに金銭要求
が続いたために拒否したところ、麻薬常習者として警察に通報され、事情聴取
が連日のように行われ、ポリグラフ(嘘発見器)による取り調べを申請した後
自宅に遺書を残してソウル市内の公園で意識不明の状態で発見され、その場で
死亡が確認されたため救急車での搬送ではなく警察によって移送されました。
亡くなる前日の事情聴取が19時間に及んでいたことから、検察の捜査方法にも
疑義が持ち上がっていたぐらいで、精神的に追い詰められていたことは間違い
なかったのではないかと推測されています。
二回行われた薬物検査では陰性反応であり、薬物の常用性について疑問視する
意見も出ていましたし、警察に告発した風俗店の女性については逆に恐喝罪で
告訴していたぐらいなので、少なくとも薬物常習者ではないと思っていたので
亡くなってしまったことは、とても残念です。
同じような容疑で事情聴取を受けていた、G・Dragonは嫌疑なしとして捜査が
終結し法務チームの解団式までしているので、イ・ソンギュンさんももう少し
我慢すれば、晴れて捜査終結ということになったかも知れません。
2014年の「最後まで行く」で、ひき逃げをした刑事の役を演じた他、クライム
アクション系の映画出演が多かったのですが、2017年には「王様の事件手帖」
というコメディ要素も含んだ時代劇にも出演して、幅広く活躍していました。
声が良い俳優としても知られていたので、しばらく映画の仕事を離れていても
声の出演で充分に仕事はあったと思いますし、キム・ナムギルやコ・ギュピル
と一緒にシベリア鉄道で旅行するバラエティも面白かったので、もっとも最悪
な選択だったと思いますし、出来ることなら時間を戻して欲しいです。
イ・ソンギュンさんのご冥福をお祈りします。