コミックソングというか、ナンセンスソングというか、とにかく飲酒運転
で事故死した酔っ払いがテーマという歌がヒットしました。
今の世の中だったら、良識派を自認する人から非難轟々かも知れませんが
現実と創作の違いを理解できないで、なんでもかんでも世の中のルールに
反するというような批判が出るような息苦しい風潮を正常で健全な社会と
考えることには抵抗があるので、私は現代であってもナンセンスソングの
世界観を支持します。
とか言いつつ実際にフォーク・クルセダーズが「帰ってきたヨッパライ」
をヒットさせた1967年は私自身は、まだ5歳の幼稚園児でしたからね
リアルタイムで記憶にあるとはいうもののメンバーの名前は中学生以降に
なってようやくわかるようになったのでした。
中学生の時には、「愛唱歌集」みたいな小型の副教材が学校で配布されて
「翼をください」「戦争を知らない子供たち」「青年は荒野をめざす」等
の歌が各クラスで選ばれて、校内合唱大会で歌われていました。
私は北山修(筆名は、きたやまおさむ)さんの詩集が好きで、中学生の頃
から歌謡曲を小馬鹿にする嫌な奴だったわけですが、その嫌な奴だった私
が好きだった「風」や「花嫁」の曲を作っていたのが、2日に亡くなった
はしだのりひこ(端田宜彦)さんでした。
きたやくおさむさんとはしだのりひこさん、そして加藤和彦さんの三人で
結成されていたフォーク・クルセダーズ(略称フォークル)では加藤和彦
さんが2009年に自殺していて、残ったのはきたやまおさむさんだけに
なってしまいました。(私の神様です、ご自愛して長生きして下さい)
はしだのりひこさんは、10年ほど前からパーキンソン病で車椅子生活に
なっていたようですが今年の5月には、急性骨髄性白血病も発症していて
今年の4月に京都で、きたやまおさむさんのステージにサプライズ出演を
した際には人生最後のステージになると発言していたようで、自分自身の
体調から考えて終末を予感していたのかも知れません。
今年の春の加川良さんの訃報に続いて、フォークソングの黎明期の人々が
鬼籍に入る年齢になっていることを実感し、とても寂しく思っています。