展示されていた思い出の品々は石原裕次郎さんの自宅に戻るもの、小樽市
に寄贈されて小樽市が展示を続けるもの、そして全国の展示会場を巡回し
石原裕次郎展として展示されるものに分けられて、最後の日には未亡人の
石原三枝さんと石原プロモーションの所属俳優が来場者に対応をして小樽
での記念館が閉館になりました。
私が産まれた頃はすでに石原裕次郎という人は大スター(時代が変わって
今では昭和の大スターです)でしたが、映画からは手を引いて刑事ドラマ
に軸足を移していましたから、映画スターというイメージはあまりなくて
「太陽にほえろ」「大都会」「西部警察」と、時々、歌番組で歌っていた
「銀座の恋の物語」そして晩年の「わが人生に悔いなし」「北の旅人」と
いった歌手としての面しか知りませんでしたが、石原裕次郎記念館に行き
展示物を見て、大スター石原裕次郎の別の面を表面的ではありましたが、
見ることが出来て良かったと思っています。
亡くなった時が52歳ですから、今でも82歳ということで十分に現役で
警視庁の顔役OBとか出来たかも知れませんが太く短くを体現したような
そんな生涯を「わが人生に悔いなし」で表現したのかも知れません。
横浜市鶴見区にある石原裕次郎さんの墓碑には、石原裕次郎さんが人生の
ポリシーとして掲げていた人生訓の「人の悪口は絶対に口にするな、人に
してあげたことはすぐ忘れろ、人にして貰ったことは生涯忘れるな」から
作られた言葉が刻まれています。
「美しき者に微笑を、淋しき者に優しさを、逞しき者に更に力を、全ての
友に思い出を、愛する者に永遠を。心の夢醒める事無く」若い頃ならば、
特に何も感じなかったかもしれませんが、石原裕次郎が亡くなった年齢を
越えて読み返すと、良い言葉だなと思います。
人として生きる時間が長くなることにつれて、思い出は増え続け、残りの
人生が終わるまでに自分自身が遺すものはなんだろうと思ったりします。
石原裕次郎さん・没後30年
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