先月に大分県のイオンで、そして先日には岐阜県大垣市のイオンで豆アジ
のパックの中にクサフグが混ざったまま販売されるという不手際があって
最悪の場合、死亡事故になっていた危険性があります。

海岸や河口で魚釣りをする人にはおなじみのクサフグ。
細い針なら咬み切る一枚歯の力は相当なもので、釣り上がって来る時には
歯ぎしりをしながらポンポコポンに膨れてコロコロと転がってきます。

小さいからといっても持っている毒はテトロドトキシンですから毒自体の
強さは変わりませんが、その毒を内臓全体、皮、血液にも持っている上に
身肉にも弱毒がありますから全身が毒と言っても過言ではありません。

テトロドトキシンの致死量は1-2mgですから、クサフグ一匹の肝臓で
10人分程度の致死量に相当しますので、笑いごとでは済みません。

そんな危険なクサフグらしき魚の稚魚が、横須賀のスーパーで生シラスの
パックの中に混入しているのをお客さんが見つけました。

長さ2.5センチ程度のクサフグのようですが、そのままシラスと一緒に
食べたとしたら致死量に達してしまいますからね、事故が発生した際には
死亡する確率はかなり高かったのではないかと思いますので、見つかって
本当に良かったと思うと同時に、販売する側は最新の注意を払って商品化
して欲しいものですよね。

からだにおいしい魚の便利帳 (便利帳シリーズ)
藤原昌高(ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑 主宰)


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