日本の最強国産馬として伝説となっている皇帝・シンボリルドルフの血脈
を引き継ぎ、親子二代で日本ダービーを制覇した帝王・トウカイテイオー
が急性心不全のため、社台スタリオンステーションで急逝しました。

年齢的には25歳と、サラブレッドとしては決して早死にというわけでは
ありませんが、母の父として血統表に名前が載ることはあってもメインと
なる後継となる種牡馬を残すことは叶いませんでした。

日本ダービーを勝つまでのレースは全て1着となり皇帝の伝説を引き継ぐ
無敗の三冠馬の期待がかかりましたが、レース後に「左第3足根骨骨折」
を発症していることが発表され、年内の休養となり三冠馬の夢は雲散霧消
となったものの年度代表馬に選出されました。



引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬となり、GⅠで勝った馬も
二頭いますが、現役時代のような華やかな成績は残せませんでした。

サンデーサイレンスやブライアンズタイムなどの外国産種牡馬の子ども達
が重賞レースの常連となったことで、シンボリルドトフの伝説を引き継ぐ
内国産馬の期待の星だったトウカイテイオーでも、優秀な血統のお嫁さん
はなかなか現れなかったのは、ビジネスの側面を持つ競走馬の生産という
業界事情から仕方のないことだったと思いますが、少々残念でした。

暑さに弱いサラブレッドは毎年、今頃の時期になると名馬と呼ばれていた
高齢馬を中心に訃報が届くのが年中行事のようになっていますが、実際に
走っている姿を見ていた競走馬が死んでしまうのは寂しいものです。

新・優駿たちの蹄跡 トウカイテイオー~1枚の写真~ (KCGコミックス)
やまさき 拓味


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