霊の話ではあるものの怖い話ではなくて不思議な話です。
というか霊界、あの世というのは本当にあるみたい…という話です。

私の祖父が亡くなった時のことです。
前日から意識が朦朧としたり、時々、目を開いたりという感じで生死の境
を彷徨っているという感じだった祖父が突然正気に戻ったように話をして
玄関に今、おばあさんが来ていると言い出しました。

既に20年以上も前に亡くなっているので当然現世には存在しないのですが
迎えに来たと言って玄関まで訪ねてきているから、早く玄関を開けて中に
入れてやってくれと言い続けますので、あまり気は進まないもののこれが
もしかしたら最後のお願いかもしれないということで開けました。

私たちの目には何も見えませんが、祖父には確実に存在がわかるようで、
一人何事かつぶやきながら頷いていました。
その時、誰も気付かなかったのですが、いつの間にか、仏壇の蝋燭に火が
ついていたのに後から気付きました。

翌日、眠るように息を引き取った祖父でしたが現世に思いを残す事もなく
静かに旅立って行った様な感じでした。
死別して20年、それでも最期の時には伴侶が迎えに来てくれたのですから
寂しいこともなかったのかもしれません。
翌日のお葬式はよく晴れた穏やかな一日でした。


 
それに対して高校の時のクラブ活動の顧問だった先生のお葬式の時には、
風が吹き荒れ、蝋燭の火が消えて電気まで停電するという悪天候でした。

葬式の前までは、晴れ時々曇りというような感じだったのに、突然の嵐の
来襲という感じで、読経をしていたお坊さんまでが、一瞬お経を読むのを
中断して狼狽するほどの急変でした。

話によるとこの世に未練を残して急逝した場合には、縁を絶ち切れなくて
この世に残ろうと葬式の際には激しく抵抗するんだそうです。
参列者の生徒の中には、後から突然腕を掴まれたとか肩に手をかけられた
なんて証言がたくさんありましたが、お坊さんの読経後「喝!」の声と共
にまるで心霊映画のように嵐は静まり、なんとか無事に天界へと召されて
いったということなのでしょうね。

この先生は娘を本当に可愛がっていて、娘さんの修学旅行の買い物に行き
その買い物先のデパートで脳溢血で突然倒れて、そのまま意識が戻ること
なく亡くなりましたから、とても大切にしていた娘さんのことが気がかり
だったのかも知れません。

この世に「思い」を残したまま死んでしまうというのは、やはり辛いもの
だと思うので、自分自身の希望というか期待としては、死んだ途端に意識
も心も魂も何もない「無」になれば良いと思うのですが、これらの例から
推察する限りでは、魂なのか霊体なのか、それとも気なのか知りませんが
「あの世」という世界までははせ参じなければならないようです。

なんだか死んでしまうのもストレスが溜まって楽ではないみたいです。

背筋が凍った怖すぎる心霊体験
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