禁止薬物の使用を咎められて、今シーズンの162試合とプレーオフ全て
の出場停止処分を下されたメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースの
アレックス・ロドリゲス選手が処分の取り消しを求めて提訴しました。

訴状によれば、211試合の出場停止処分から162試合とプレーオフの
出場停止に短縮された処分とした調停人の裁定は、不公平なものだと主張
しているのと同時に「MLBが犯した非倫理的な調査行為」や、選手会が
調停の際に適正に代理を務めず、支援を行わなかったことについても不満
を述べて、MLBと選手会を提訴したものです。

大きな論点の矛盾があるのは、禁止薬物を使用していたこと自体について
反省もなければ否定もしていない点で、禁止薬物を使用した上に、調査を
妨害しようとした時点で犯罪者ではなくても、ルール違反は明確ですから
ルール違反をした人の弁護を選手会に求めるのはおかしいでしょう。

会社内で窃盗をした従業員がいて懲戒委員会が開かれた時に、窃盗自体を
否定しない従業員を弁護する労働組合なんて聞いたことがないです。

必要であれば自分で弁護士を雇うべきであり、それぐらいの資産は充分に
持っているはずですから、八つ当たりのような提訴は取り下げて、身から
出た錆を丁寧にメンテナンスする一年にするべきだと思います。

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (集英社文庫)
町山 智浩


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