トットちゃん広場には、黒柳徹子さんが通っていたトモエ学園(トモエ学園は
実際に使用されていた電車の車両が教室として使われていたため、公園の中に
電車の車両が置かれていて、その中に教室のイメージが作られています。)を
再現してあるので、美術館が開館していたとしても、トットちゃん広場の方も
是非とも足を運んで見ていただきたいです。
トモエ学園の話を書き始めたら、記事一回分では足りないぐらいの話になって
しまうので、簡単に書くと尋常小学校(現在の教育基本法では小学校の過程)
を一年で退学になってしまった、超個性的な児童だった黒柳徹子さんが大好き
になって通った小学校で、本物の電車が校舎として使われ、授業の科目は自分
で好きな科目を選んで始められたり、時には午後から散歩に出かけるといった
自由な学校で、そんな学校に通っていた黒柳徹子さんに対して校長の小林氏は
「君は、本当はいい子なんだよ」といつも声をかけてくれていたそうです。
小林校長先生に「君は、本当はいい子なんだよ」と言い続けてもらったことが
黒柳徹子さんは、その後の人生の支えになったと著書「窓際のトットちゃん」
の中で触れていて、画一的な学校のルールの中で、はみ出す子に対して先生が
個性を尊重するという目線を持つことは難しいのは理解しますが、あまりにも
校則に準ずることが求められる教育現場で個性を育つということは、なかなか
ないだろうな、と今の時代に生きる子供たちの息苦しさも感じたりします。
きれいな景色の中で、自由にのびのびと育てばいいじゃないかと迂闊に言うと
他所の子が優秀な講師の塾で勉強をして、いい学校に入って、いい大学に行き
官公庁や上場企業に入社してからでも遅くはないんだから余計なことは言うな
なんて言われそうな世の中ですが、いい学校ってなに?有名企業に入るための
予備校ってこと?有名企業に入るとなにが良いことがあるの?入社後も努力を
重ねて出世することが幸せ?努力、努力の人生で、取締役になったら人生の中
で達成が得られるのかな?とたいした努力もしないで、苦労しないのが人生の
目標である一介の会社員は、遠くの山を見ながら思うのでした。
電線が邪魔くさいなと思いましたが、住んでいる人にとっては大切なものですね。
公園の広場には、長野県・信濃町の黒姫高原に、いわさきちひろさんが建てた
アトリエを兼ねた山荘が復元され、ちひろの黒姫山荘と名付けられています。
公園の中で、のんびりと歩き回っているうちに、涼しい風が吹くようになって
ここが信州の安曇野であることを再確認しました。
気付いたら夕暮れ時になっていて、置かれている電車が「千と千尋の神隠し」
の中で登場したように、別の世界への乗り物のように見えてきました。
絵本の中のような世界から現実世界へと帰る時が来ました。
安曇野・安曇野ちひろ公園
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