土方歳三資料館を見学 [おとなの社会見学]
場所は東京都日野市、23区からは離れた多摩エリアで、JRだと南武線、青梅線
中央本線で立川まで行き、多摩都市モノレールで万願寺駅から歩きます。

郷土の偉人の資料館とか、博物館や記念館は大体は地域の市町村が運営している
ことが多いのですが、土方歳三資料館は土方歳三の兄から六代目の当主によって
運営されている私設の資料館ですので、毎月第一、第三日曜日のみ開館している
希少な機会に合わせて行かないと展示内容を見ることは出来ません。
資料館の玄関横に土方歳三の生家跡という日野市教育委員会による立て札があり
元々の生家は洪水被害を受けたため、300メートル離れた現在の場所に移転した
こと、土方歳三本人の手によって植えられた屋敷内の矢竹が、今でも茂っている
ことそして土方家の菩提寺である石田寺にお墓はあるものの実際に埋葬されては
いないという説明が書かれていました。
※函館の五稜郭で狙撃されて絶命した土方歳三は新政府軍によって首を取られる
ことを案じた隊士たちによって五稜郭内のどこかに埋葬されましたが、現在も
正確な場所は判らないため遺体を弔うお墓は存在しません。
同じ場所には愛刀とされる「和泉守兼定」の説明が書かれていました。
資料館の中は撮影が出来ないため、資料館内の展示物の一部については、写真と
複製品が置かれていましたので、刀の写真は撮りました。
土方家では石田散薬という薬(打ち身、捻挫などに効くとされた外傷用内服薬)
の製造販売を行っており、土方歳三も薬品の行商をしながら剣術道場の試衛館で
剣術の修行に励んでいたようです。
行商用の薬箱の実物は資料館に展示され、その写真と複製品が写真撮影用として
展示されていたので写真を撮りました。
この行商に出る前には呉服屋に奉公に出たこともあったようですが、端正な容姿
から呉服屋の女性とトラブルになり解雇されたことがあるという話もありますし
京都で新撰組として活動していた時にも多くの女性から恋文を貰って、まとめて
実家に送るほどモテていたという逸話が残っています。
有名な幕末の組織なので知らない人はいないと思いますが、簡単に新撰組の話を
書いておくことにします。
新撰組は、現在の府中市出身の近藤勇局長、日野市出身の土方歳三副長が率いた
浪士組が京都の治安を守るために結成された農民と下級武士による組織でした。
元々は壬生浪士組と呼ばれていましたが、京都の商人相手に狼藉を働き金を無心
していた初代局長の芹沢鴨を粛清し、京都守護職を拝命していた会津藩藩主松平
容保から新撰組と名付けられ、市中警護(主に倒幕派の取り締まり)を委任され
京都では数々の尊王攘夷派の浪士を斬り捨てました。
その組織で鬼の副長と呼ばれた土方歳三は、隊の規律に厳しく「局中法度書」を
芹沢鴨(後に本人が掟を破って処断されたわけですが)近藤勇と共に定めて隊士
全員が「局中法度」を規範として行動することを求めました。
士道に背き間敷こと
局を脱するを許さず
勝手に金策を致すべからず
勝手に訴訟を取り扱うべからず
私の闘争を許さず(喧嘩口論の禁止)
右条々相背き候者は切腹申し付くべく候なり
武士道に背く行動をすること、新選組から抜けること、勝手な金策をすることと
勝手に訴訟を取り扱うこと、そして隊の内部において喧嘩・口論を禁止し、この
掟を破ったものは切腹を申し付けるという内容です。
新撰組の解説ではないので、新選組の終焉までの話は書きませんが、鬼の副長と
呼ばれていた土方歳三は捕縛され処刑された近藤勇局長、労咳=結核で病死した
一番隊隊長の沖田総司を見送り、函館の五稜郭での新政府軍との交戦時に馬上で
指揮を執っていて敵の銃弾を腹部に被弾、戦死したと伝えられています。
新撰組で鬼の副長だった土方歳三でしたが、鳥羽・伏見の戦い、戊辰戦争を経て
函館で陸軍奉行並の要職に就いた頃には、仏の土方と呼ばれるほど部下に慕われ
五稜郭の中では常に新撰組の隊士が護衛を兼ねて付き従っていたようです。
土方歳三資料館は、日野市の生家を訪ねてくる土方歳三ファン、歴史研究者など
多くの来訪者に土方歳三の生い立ちを伝え、遺された文書、使用していた武具を
見られるようにという配慮から子孫によって開設されましたが、減ることのない
訪問者に対応するために、一度閉館して再整備した後に再開されたのが、現在の
土方歳三資料館ということになります。
土方歳三資料館!?知りませんでした。ぜひ行ってみたいです。ご紹介いただきありがとうこざいます(*^^*)
by 溺愛猫的女人 (2025-02-08 12:41)
現在放送中の新選組を扱ったアニメ内でも土方歳三について”日野”の名前が出ていましたよ
by 青い森のヨッチン (2025-02-08 22:59)
溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。
土方歳三資料館は、土方家の子孫の方が開設している私設の資料館なので
毎月第一、第三日曜日のみの開館で、時間も12-16時に限られています。
臨時休館日もあるようですので、事前に確認した方が良いです。
入館料は800円です。
あと、日野市が運営している「新撰組のふるさと歴史館」という施設も
あります。毎週月曜休みで、9-17時までです。
入館料は200円です。
by suzuran (2025-02-10 00:26)
青い森のヨッチンさん:
コメントありがとうございます。
新撰組の近藤勇局長、土方歳三副長の出身地が東京の多摩地方というのは
以前から知っていましたが、自分自身が年齢を重ねてきているので唐突に
体が動かなくなったり、突然死なんてこともあり得る(ここ数年で同世代
の知人が何人か亡くなっている)ので、自由に動けるうちに新撰組の地元
に行ってみようと調べて行きました。
以前に調べた時は、かなり不便に感じましたが新横浜から東急線が出来て
武蔵小杉から南武線に乗り換えると割と簡単に立川まで行けるようになり
立川から日野までは多摩都市モノレールもあるので行きました。
思っていたより簡単に行けたので良かったです。
by suzuran (2025-02-10 00:33)