映画音楽 エンニオ・モリコーネ [シネマクラブ]
日本の黒澤明監督が撮った「用心棒」という映画のプロットを完全に再現したと
いうと聞こえがいいですが、要するに日本の時代劇の設定を西部劇に置き換えて
盗作した映画で、東宝からの抗議に対して抵抗することなく「盗作しました」と
プロデューサーと監督が認めた映画ですが、当時、テレビドラマの仕事以外には
有名ではなかったクリント・イーストウッドが大スターになる足掛かりになった
映画で、音楽を担当したのがエンリオ・モリコーネでした。
「荒野の用心棒」のヒットを受けて「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」
とイタリア製作の西部劇、いわゆるマカロニウェスタンが隆盛を極め、西部劇の
地元であるアメリカでも話題になったことで、クリント・イーストウッドは地元
アメリカで「ダーティハリー」シリーズなどに主演して大スターになりました。
アメリカ国内でもマカロニウエスタンが受け入れられていた証拠でもないですが
「キック・アス」の中では「夕陽のガンマン」の音楽が流用されています。
マカロニウェスタン(海外ではスパゲティウェスタン)でスターになった俳優は
フランコ・ネロ、ジュリアーノ・ジェンマなどが有名ですが、特にジュリアーノ
・ジェンマは、日本で人気がありジェンマという名前のスクーターがスズキから
発売されて、イメージキャラクターとしてCMにも出演していました。
エンニオ・モリコーネは、マカロニウェスタンの多くの作品の音楽を手掛けた他
一部の国では上映禁止になった問題作「ソドムの市」(スカトロ、獣姦など法律
で禁止されている描写が多かったため)やアメリカ映画の「遊星からの物体X」
や、日本の画家で芥川賞受賞作家の池田満寿夫が受賞作品を自ら監督して映画化
した「エーゲ海に捧ぐ」など、SFホラーから話題作まで幅広く関わっています。
「エーゲ海に捧ぐ」が公開され時、タイアップ広告でワコールのCMが放映され
そのCMでは、ジュディ・オングの「魅せられて」が使われていたため、映画の
テーマ曲も「魅せられて」だと思っていた人が多く、映画を観た人から主題歌が
映画の中で演奏されなかったのは何故ですか?という問い合わせがあったという
話がありましたが、この映画を観に行った時、お客は10人ぐらいしかいなかった
ので、そんなに問い合わせが来るほどの盛り上がりはなかったように思います。
性的なシーンが多く、局部を当時の標準的な方法であるボカシを使わずにピンク
の〇で隠していたので滑稽な絵面になっていて、全くエロティックな要素のない
全くつまらない映画になっていたのが残念でした。
アカデミー賞は「ヘイトフル・エイト」で受賞、ゴールデングローブ賞は同作品
と「ミッション」「海の上のピアニスト」で受賞しています。
コメント 0