JR九州高速船の人命に関わる隠蔽工作 [日本社会の闇]
(ジェットフォイル)の代替えとしてオーストラリアの造船会社から調達された
クイーンビートルが、今年の2月中旬から船体のクラックによって浸水していた
にも関わらず、法律上のルールを無視して運航していた問題が発覚しました。

最初に事象が起きた頃は、船首部分に数リットル程度だったものの検査や修理を
しないまま公開日誌では異常なしと虚偽報告を続け、引責辞任(事実上の更迭)
した前社長の指示で外部への報告は隠蔽されたままでした。
海水の浸水量が増加したためにポンプで排出をしながら運航したなど、外部への
報告はしないで、秘密裏に浸水量は記録されていたようですが、それを記録した
ところで乗客の安全には全く役立つものではありません。
最初の浸水から三か月後の5月下旬になると浸水量が700リットルを超えたため
浸水を検知するための警報センサーの位置を正しい位置から上に移動させ、浸水
の量が増えても警報が作動しないように工作をして隠蔽し、運航を続けましたが
いよいよ運航に支障が出るようになったために5月末になって、船体の不具合で
浸水が見つかったと約三か月間の安全性を度外視した運航については公表せずに
初めて浸水が発覚したかのように国土交通省に対して報告をしたようです。
元々は去年の6月に浸水が発覚しながら運航を継続し、国土交通省から行政処分
を受けて改善報告書を提出して運航を再開していますが、報告書に沿った内容の
改善が行われたかについても今後、調査が進められるかと思います。
5月末から修理をするために運休し、7月4日に臨時検査を終えて7月11日からは
運航を再開しましたが、国土交通省の監査で浸水の事実を九州運輸局に報告して
いなかったため経営幹部に事情聴取を行った結果、一連の浸水が隠蔽されていた
ことが確認され、安全管理体制が確立されるまで運航停止という発表が行われて
予約していた人たちから大きな批判が出ていますというのが現在の状況です。
クラックというのは、ひび割れのことで船体の耐久性の問題なのか、製造する時
の不手際なのか、素材の問題なのか、三胴船という設計上の問題なのか、今後の
調査・検証にどれだけの時間がかかるのかも現時点ではわからない状況にあると
思いますが、10月以降からの予約については対応を検討中(9月末までは完全に
運航停止が確定しているので予約分の運賃を返金し、飛行機への代替えの補填と
して1万円から2万円の補償金を支払うことを発表済)ということなので、修理を
進めて運航再開を考えているようです。
社長が指揮をして会社ぐるみで不正な運航をしていたわけなので、運航している
JR九州高速船という会社自体の解散・廃業を求める意見もありますが、会社側は
会社を閉じて、他の会社に運航権を委譲するつもりはないようです。
高額な料金で低レベルのサービスを提供していたとか、産地を偽って船内販売の
商品を高額で販売して利益を挙げていたというような不正ではなく、過去に実際
に起きているようなクジラとの衝突で損傷が酷くなって沈没とか転覆など、命に
関わる事故になるリスクも高かったわけなので、全く機能していなかったと指摘
されてもおかしくはない安全管理体制を再構築するのは容易ではないはずです。
基本的には飛行機で移動していますが、クイーンビートルはYouTubeでもよく
紹介されているので、一度は乗ってみようかなと思っていただけに残念です。
命は一つしかありませんから、一度信頼を裏切った会社に命を預けるのは嫌だと
思うので、たとえ運航が再開されたとしても、クイーンビートルを利用すること
は絶対にないと断言しておきます。
そんな一種の泥船に乗船して業務を行っていた乗組員の人達、特に旅客サービス
を担当していた人たちは危険性をし認識していたのでしょうかね?
さらに運航乗務員は浸水していることを承知の上で、冬にはかなりの荒れ模様に
なることもある玄界灘を航行していたのでしようか。その辺りが不思議です。
万が一、多くの方達を乗せたまま沈んだりしたら大惨事になったはずですよね。とても怖いです( ̄▽ ̄;)
by 溺愛猫的女人 (2024-08-16 10:26)
こんばんは。
ついこの間も高速ジェット船が航行不能になったという事件がありましたね。
あれもかなり古い船だったようです。
by センニン (2024-08-16 18:55)
溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。
最大定員が550人だったと思います。
玄界灘は冬にはかなり荒れることがありますし、クイーンビートルが
就航する前のビートルの時には、クジラと二回衝突しています。
一番質が悪いのが「バレなければいい」という考え方だと思います。
自民党をはじめとする政権与党の体質、東京オリンピックや大阪万博の
談合やメタンガス噴出の危険性、釘を使わないと言いながら釘を使い
有人ドローンを空飛ぶ車と表現する欺瞞、そんな行政の体質などが
民間企業にも伝播して日本の劣化を進めているわけです。
65歳以上の政治屋、経営者は一斉に引退して、倫理観を正しく持った
次世代に政治も経営も託すべきだと思います。
by suzuran (2024-08-17 00:47)
センニンさん:
コメントありがとうございます。
伊豆航路の東海汽船のジェットフォイルはかなりの年代物だと思います。
経年劣化もありますから故障は仕方ない側面もあるかと思いますが、
航行不能になった後の対応が悪かったと思いました。
クイーンビートルはコロナ渦中に完成した新造船ですから、本来ならば
船首部分にクラック(ひび割れ)が入るようなことはないと思いますが
漂流物かクジラと衝突したのかはわかりませんが、映像を見る限りでは
外側からの何かによって出来たひび割れのように見えました。
新造して就航後、コロナ禍のために日韓航路は閉鎖になり、引き渡し後
しばらくは使い道がなかったものの観光船として細々と営業をしていた
その時になにかと衝突していたのかも知れませんね。
60億円をかけて新造して、多分まだ償却は終わっていませんから修理を
徹底して、安全管理(監査・検査を外部委託)を最優先に取り組んで
運航を再開しないと会社が持たないと思います。
社長を変えるだけで、それが出来るかが最大の課題でしょうね。
by suzuran (2024-08-17 00:55)