ひそかに流行しているケジラミ [健康・医療]
主に陰毛の張り付くケジラミは1-2mm程度の大きさで、肉眼で見つけることは
かなり難しいのが実際のところで、明るいところで陰毛を間近で見ると、ごまを
振ったように見えるので見つけることが出来ますが、そういうシチュエーション
はあまりないので、いわゆる恥丘の辺りがとても痒くなりますが、自分で確認を
することは難しい症状だと言えます。
同じパートナーとの性的な接触であれば、感染することはほぼありません。
が、別の誰かとのアバンチュールとか、いわゆる不倫関係などによって感染した
場合にパートナーと性的関係を持つと高い確率で感染させることになります。
自分自身に心当たりがなければ、性的関係を持った相手から感染したのは間違い
ないわけですが、心当たりがある場合は感染源の特定は難しいかも知れません。
アタマジラミやトコジラミは、他人にも相談できますが、ケジラミは発生場所が
限定的なので他人に相談どころか皮膚科を受診するのも勇気がいりそうです。
そんなわけで、ケジラミは密かに流行しています。
トコジラミは厳密にはシラミ(昆虫綱咀顎目シラミ小目)の仲間ではなく、南京虫と
呼ばれているように、より虫に近い形をしている半翅目トコジラミ科の昆虫です。
海外、国内に関わらず宿泊施設でトコジラミ(南京虫)に噛まれるという事例が
報道されることで、ホテルのベッドのシーツは明るいところで確認するのが大切
だという話が広がっていて、実際に中深くなっている人もいると思います。
トコジラミは5mmぐらいの大きさなので、白いシーツの上にいる場合は比較的
目視でも見つけることが出来るので感染を防ぐことは出来ます。
時々、幼稚園や小学校とかのプールで低学年の子の間で集団感染することがあり
話題になることもあるのは、アタマジラミでケジラミとは全く違います。
アタマジラミが感染する例は10歳以下の子供に多く、頭同士が直接接触すること
で感染するので、集団で着替えをしたりする子供に多いです。
アタマジラミは、こんな形をしているシラミ(ヒトジラミ科)です。
頭髪にのみ寄生して、頭皮から吸血します。
そもそも小学校低学年が、陰毛が生え揃っていてケジラミが集団感染するなんて
ことは発育の面でもあり得ないのと、ケジラミは人間と離れると24時間も生きる
ことが出来ない(アタマジラミは72時間は生きられて、卵の状態なら10日程度
は生きられるので感染力が強い)ので、陰毛同士が直接接触する状態でない限り
感染できないので、性行為感染症の一つに分類されています。
どういう趣味嗜好なのか解りませんが、アタマジラミは頭の毛のみが対象なのに
対して、ケジラミは陰毛、腋毛、胸毛(ごく稀に眉毛)にしか付きません。
理由はわかりませんが、それぞれに好みがあるということなのでしょう。
ケジラミは陰毛の根本の部分に張り付いて、昼間はおとなしく寝ています。
が、夜になると掴まっていた毛から離れて陰部(毛の生えている周辺)に移動し
ガブリと噛み付いて血を吸います。
満腹になると栄養分が卵の成長を促して、陰毛の根元に新たに卵を産み付けた後
また血を吸いに行くという活動を夜の間中繰り返すわけですから、単純に栄養を
補給して産卵するという繁殖だけのために生きている原始的な生き物です。
昔は陰部をかきむしって、細菌感染をさせてしまい本格的な性感染症に感染する
原因にもなっていたようですが、現代ではスミスリンという商品名でケジラミと
アタマジラミに効果のある薬があるので、陰毛の部分に振りかけると取りついた
ケジラミを駆除することが出来るようになりました。
但し、徹底して薬を使わないと数匹残ることもあるので、差支えがなければ陰毛
を剃ってしまうのが一番確実で効果的な駆除になります。
このケジラミ、一時期はかなり減少したようですが、不倫がドラマで普通に題材
になるぐらいにありふれたものになっている現代では、サイレントパートナーに
感染させたり、感染させられたりして、さらに夫婦、恋人同士の間で感染拡大を
招いて、ひそかに流行しているのが現実のようです。
一般的な性感染症のようにコンドームで予防することは出来ません。
双方が剃毛していれば感染しませんが、若い世代ならともかく、ある程度の年齢
になってVラインの脱毛とか、あまりしないと思うので感染のリスクを減らすと
いうのは、なかなか難しいかも知れません。
きれいなバラにはトゲがあり、カッコいい彼や、きれいな彼女でも陰毛にゴマを
振りかけたようにケジラミを持っているかも知れません。
推奨するわけではありませんが、特定のパートナー以外と性的関係を考えている
のであれば、無意識のうちに股間を掻いていないかチェックした方が良いです。
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