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大哺乳類展3【国立科学博物館】-3 [おとなの社会見学]

現在の哺乳類で、最初に枝分かれをしたのが先回で書いたカモノハシ=原獣類で
次に枝分かれをしたのがオーストラリアに分布する有袋類です。
カモノハシは卵を産みますが、有袋類はごく未熟な状態で生まれた小さな子供を
お腹の袋で育てるという特性を持っていて、それ以降に枝分かれした真獣類とは
違った進化の過程を経てきています。

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黄色の部分の動物たちが有袋類です。

人間(ヒト)を含む真獣類は、受精後、ある程度の生育期間を子宮の中で過ごし
ヒトの場合だと280日で出産ということになります。
肉食動物の場合は生まれてしばらくは歩くことは出来ませんが、外敵から捕食の
対象にされる草食動物は生まれた直後から歩けるようになるのがほとんどです。


ライオンやトラより、さらに育成期間が長い人間は進化の過程で、学ぶべきこと
が多くなり外敵が減ったため野生動物よりも成長が遅くなったと考えられます。
繁殖可能に成熟するまでに12-13年程度かかる人間は寿命も長くなりました。

もしも今後、コンピュータのレベルが上がって人類が学ぶ必要がなくなり、戦争
のない平和な世の中になった場合、人類はどうなるのでしょう。

成長過程と繁殖可能年齢のほかに寿命を決める大きな要因としてテロメアという
染色体の両端にある部分が関係していることが研究されているため、単純に妊娠
期間が長くなったり短くなったり、成熟までの年齢が早くなったり遅くなったり
するわけでもないかも知れませんが、数千年単位で見ていくと、生殖から老化の
過程に変化があることは間違いないだろうと思います。

ただ、環境破壊や信条の違い、地球上という拡大不可能な領域内での領有権争い
の戦争など、愚かな行動を続けている人類が数千年、数万年の単位で、地球上の
支配権を保ち続けることは難しいと考えるのが現実的でしょう。
最悪な場合、50年後に人類が存在しているかも怪しいかも知れません。

この展示は人類の未来を占うものではないので話を元に戻します。

有袋類の上の段に展示されているのが紫色の部分に並んでいる異節類です。
南米大陸に生息する動物で、アルマジロやオオアリクイ、ナマケモノなど、他の
エリアでは見られない腰の骨に独特の関節を持つ動物たちです。

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外見からは腰の骨は見られませんが、鎧を着たようなアルマジロや、自然界では
蟻塚のシロアリしか食べないオオアリクイなど、外見も独特な動物がいます。

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南米(メキシコなど中米も含む)エリアで伝説の残るチュパカブラという怪生物
の正体とされているのがオオアリクイという説もありますが、シロアリしか捕食
しないオオアリクイが、なぜ和訳するとヤギしゃぶりになるチュパカブラの正体
とされているかはわかりません。

Chupacabra.jpg
チュパカブラ(アルマジロ説、コヨーテ説などいろいろあります)

立ち上がると人間よりも大きく、蟻塚を破壊する鋭い鉤爪のオオアリクイを見た
人がヤギを襲って、吸血する恐ろしい怪生物だと思い込んだのかも知れません。
動物園で飼育されているオオアリクイは、シロアリだけで賄うことは難しいので
挽肉も与えているようですので、なにかの理由でヤギの美味しさに目覚めた個体
がヤギを襲い、長い舌を差し込んで食べている場面に遭遇した人がいたとしても
否定はできないので、そういう事実はあったのかも知れません。

ナマケモノも特別な動物で、本人は別に怠けているわけでもないのにナマケモノ
なんて名前を付けられて甚だ迷惑だと思っているかも知れません。

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ナマケモノの話を書くと、果てしなく長くなるので自粛しますが、ナマケモノは
他の動物と比較して筋肉量が少ないために、樹上から降りたり移動するのは苦手
というか、出来ない動物ですから動きがスローモーションだからといって人間の
目線でナマケモノと名付けるのは人間の身勝手です。

それだけはナマケモノに代わって抗議したいところです。
というところで話が長くなっているので、今回はここまでにします。


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